夢綴
瀬戸口 大河
疑念
疑念
この夢はまだ結婚して1年半で見た夢
26歳の妻はアクティブな女性で結婚してからもフルタイムで仕事をしている。
仕事では営業トップのキャリアウーマンとして活躍していて、将来は独立したいという大きな目標を掲げている。
休みの日はエステ、脱毛、ネイルサロンと忙しく奔走していて美に取り憑かれた女性でもある。
なぜ、そうも見た目にこだわるのか尋ねると「あなたにずっと好きでいてほしいから」と恥ずかしげな表情で答えた。
いつもは優しく、おっちょこちょいな一面のあるかわいい女性だ。
2人でいる時は「ぎゅーして」が口癖でよくハグをせがむ。
そんな妻を見ているといつまでも俺のそばで欲するがままに愛情を吸い尽くす。
それがまた、愛おしい。
そんな日々を送っていると妻が口に出す。
「最近パーソナルジムに通っているの」
パーソナルジムとはどんなものか尋ねると、トレーナーにどんな身体になりたいのかという希望を伝えるとその目標となるボディに向けて、トレーナーが個別で指導をしてくれるというのだ。
俺は正直嫌だった。
俺の知らない人間が妻の身体をジロジロと見て、身体を触りながらトレーニングを教える。
つまり、俺以外の人間が仕事という大義名分の下で妻に接触するのだ。
許せない。
話を聞けばそのトレーナーは男だという。
尚更、許せない。
しかし、妻が選んだこと。
とやかくいうのは男らしくない。
「そっか。頑張ってね」と一言告げた。
それからというもの毎週金曜日はパーソナルジムで帰りが遅くなる。
23時ごろ家に着き「今日も疲れた」とメイクを落として食事もせずに寝る。
そんな妻を見て俺は強烈な嫉妬心に駆られた。
いつもの妻なら俺を見てくれている時間を訳の分からないトレーナーに奪われた。
被害的な感情に襲われる。
1ヶ月もすると
「妻は浮気をしているのではないか」
と邪推が俺を襲う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます