第12話 リサイクル店店員の憂鬱その3

私の名前はひいらぎ。霊がクッキリハッキリ見えて会話もできる、普通のリサイクル店店員である。そして、私は最近、ある理由から邪悪な悪霊のしもべとなった。


なぜ私が悪魔に魂を売り渡す事になったのか?

話は数年前に遡る。

神職だったご先祖から私が相続した小さな祠。

その祠が立地する神域の山林に、違法産廃処分業者が勝手にゴミを捨て始めたのだ。

私は当然抗議したが、地域に根差した悪党である奴らは居直り、それどころか登記された図面が杜撰だった事を突かれて、合法的に土地を奪われてしまった。

なすすべなく敗れた私は、名前を変えてその違法産廃処分業者が経営するリサイクル店に就職。奴らの悪行を暴くべく、内部から情報を集めていた。

そこに現れたのが、あの悪霊、ゴーストドライバーちゃんだ。

奪われた祠の神域に捨てられたトラック、そのトラックに憑りついていた運転手の地縛霊だと名乗っていたが、祠の神様や廃品の付喪神と習合して、強力な悪霊となっていた。

「悪徳産廃業者への報復」という共通目的を持つ悪霊たちに私は魂を売り渡した。

復讐のため、私は悪霊たちの眷属となったのだ。


ゴーちゃん「柊ちゃんのカラダ、ちょっと貸してもらえないかな?」


魂は売り渡したが、カラダは売らない!お断り申す!


ゴーちゃん「ちょっとだけ。ちょっとラーメン食べる間だけだから!」


絶対『ちょっとだけ』じゃ済まないでしょソレ!お断り申す!





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