労働爆破党

Atree

消費を増やせ、消費マン! 第一話 労働時間を減らそう

消費マン「労働時間を減らせ!!」


怪人オシゴト「どうした消費マン、総務省の統計局は見たのか。リベンジ消費を信じていないのか!」


消費マン「何ッ!(まだ見てない……)」


怪人オシゴト「お前の考えは次の通りだ。以下に述べる:」








怪人オシゴト「①労働時間が長いと、消費に使う時間を捻出できません」


消費マン「はい」


怪人オシゴト「②休日になると人が消費活動をする様子が SNS で散見されます」


消費マン「主観データではありますが、その通りです。以上で間違いありません」


怪人オシゴト「ありがとうございます」








怪人オシゴト「浅はかな奴め。経済活動中にも消費が行われていることを知らんのか?」


消費マン「どういうことだ!?」


怪人オシゴト「労働者が飯を食うために、食堂や外食店を利用している。これは消費ではないのか?」


消費マン「確かに消費だ! しかし必要最低限だ!」


怪人オシゴト「では…」









怪人オシゴト「たとえば料理店が魚を市場で競り上げたり、工場が部品を発注したり、会社が事務用品を他社に見積もりとって注文したり……こうした日々の消費は、労働時間の減少によりどのような推移を辿ると考えるのか?」


消費マン「……え? え?? いや、これは食事とか娯楽とかの話で……え?」









怪人オシゴト「意外かもしれないが、農業事業者だって結構でかい消費税を払ってるんだぞ。納税義務が免除されてる時はいいが、普通に計算しても年間 15 万円とかそこら払ってるんだよ。労働と消費は実は切り離せないものなの」


消費マン「あっあっあっ……休日のケーキの話をしたいだけなのに……」









怪人オシゴト「SNS には現れない消費というものが、実は労働中に大きく動いているのだ。莫大なお金を消費し、付加価値をつけて消費者に届けるその道中こそが、労働の中にある消費なのだ。SNS に現れるのはその末端に過ぎない」


消費マン「やめろやめろーっ! いいから労働時間を減らせーっ!」









怪人オシゴト「それとも何か? 昼休みにケーキでも買えばいいではないか? 昼休みに買ってきてやろうか?」


消費マン「昼休みに職場から出る暇ねえんだよ! あと疲れてんだよこっちは!! 数字の悪魔!!」


怪人オシゴト「消費マン、お前は弱すぎた。これから一生涯、経済の奴隷になってもらう」









と、その時!


────「ばくはつだ!!」


現れたのは、労働爆破マン!


労働者「労働爆破マーーン!!!」


労働爆破党の人々が、スタンディングオベーションでその雄姿を称える。戦え、労働爆破マン! がんばれ、労働爆破マン!


怪人オシゴト「なんだお前は!」









労働爆破マン「労働爆破ビーム!!!!!!!」


怪人オシゴト「うわあああああああああああ」


経営者や投資家以外の人々「やったーーー!!」


こうして怪人オシゴトは滅び、個人消費活動が栄え、SNS は盛り上がり、食品関係と娯楽関係が忙しくなりましたとさ








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