第4話

練習が始まればみんな真剣に取り組む。

水の中は静かだ。何も聞こえないような静かさが好き。


「はい、休憩」


顧問の先生が声をかけて一斉にプールサイドに上がる。水筒から流れてくるお茶はとっても身体にしみた。


「優希先輩」


「なに、菜々美ちゃん」


「先輩の泳ぎって綺麗ですよね、なんかこう自由な感じなんだけどくらげみたいで」


「それ、褒めてる?」


「褒めてるに決まってるじゃないですか」


なんともあざとくて、おなかいっぱいである。


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