第1話

起きれば既に外は明るくなっている。だから夏は嫌いだ。夏休みに入ってすぐなのに毎日真夏日が続いている。


優希ゆうき、そろそろ部活の時間じゃないの」


母が下から問いかけてくる。こんな時間に外に出るのは嫌なのに。


「はぁい」


気のない返事をして私はベッドから出る。ああ、一生このクーラーの中で涼しく生きてたぁいと悪態をつきながら。


制服に着替えて部活の準備をしてからリビングに降りると、今年中学受験を控えた弟が早くから勉強していた。そんな様子を見ながら朝食を食べる。テレビの中で今日は猛暑だと放送している。


どうやら今日も暑いらしい。

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