とある青年が、かつて親交を深めた画家の男に宛てた手紙。
強烈でした。なんというかもう、途轍もない情念の塊のような何か。
……とも限らないというか、「実はいろんな解釈ができる」という点が魅力のお話です。
個人的には本当に恐れ慄いてしまったのですけれど、でもこういうレビューや感想なんかで先に反応の方を見てしまうと、それはそれで身構えてしまって肩透かしに、となったりもするのが難しいところ。
というわけで、このレビューはあくまで個人的な、それも大袈裟なひとりの感想と思って、いますぐ本編に飛んでください。
どうあれひとりの人間をおかしくして、こうしてレビュー書かせるだけの力は間違いなくある作品です。
この質感、人間としての存在感。
そして、それを「読ませること」によって伝える、その手管の生々しさ。
どれをとっても震えるような威力を秘めた、あまりにも鮮烈な作品でした。