第91話 どれでもいいか
「それじゃ、運動会の種目決めするわよ!」
新学期が始まって1ヶ月、学級委員長である双葉の声がクラスに響き渡った。
運動会か、別に気合い入れたいと思わないんだよな。楽そうな種目に適当に立候補しとくか。
「まず最初に、学級対抗リレーだけど、男子は高橋君とカナタ。女子は三葉と西園寺さんで決定でいいわよね」
そうか、学級対抗リレーは高橋と俺か・・・高橋と・・・おれぇ!?
「おいちょっと待てよ!何で何で俺なんだ!」
「去年の50mの結果、先生に教えてもらったのよ、それに、あんた運動できるんだからこういうのに出なさいよ!どうせ何か楽そうなの出ようとしたたんでしょ?」
「クッ・・・!」
ぐうの音が出ねえ!
「あっ、言い忘れたたけどリレーの人はリレーの他にもう1種目出てもらうから」
もう好きにしてくれ・・・
「おいカナタ!リレー頑張ろうな!」
ホームルームが終わり、そう高橋に声をかけられる。
「そうだな、適度に頑張ろう」
「いやいやいや、適度じゃなくて優勝だろ!なんせメンバーは間違いなく俺らの学年で1番強いからな!」
「そうだよカナタ君!優勝だよ優勝!」
「そうです!優勝ですよ!」
そう三葉と西園寺さんも参戦してくる。こうなれば観念する他無いだろう。俺は肩を落としながら言う。
「分かったよ、優勝目指して頑張ろうか」
すると高橋が大声で言った。
「だったら練習といくか!」
・・・は?
・・・・・・
「それじゃあ順番から決めていくか!」
そして今、俺たちはグラウンドにいる。余計なことを言うんじゃなかった。
「カナタ君って、足速いんですね」
そう西園寺さんが俺に話しかけてきた。
「ま、まあ運動自体は苦手じゃ無いから。それよりも西園寺さんの足が早い方が意外だったよ」
「えへへ、走ることだけは私得意なんです」
なんて話しているうちリレーの順番が決まったらしく、俺はアンカーを走ることになった。作戦としては1走の西園寺さんで出来た差を三葉と高橋で埋めてトップに立って俺が逃げ切る作戦らしい。バカ2人が建てたにしてはいい作戦だ。
「それじゃ、バトン練習してみるか!」
そして、1走の西園寺さんと2走の高橋がバトン練習に入る。
「カナタ君、当日は借り物競走も出るんですよね?」
そう三葉に声をかけられる。
「おう、それが1番楽そうだしな。三葉は確かパン食い競争だったよな」
「はい!楽しみです!」
「パンを食べれるのがか?」
「はいっ!!」
やっぱりそっちだよなぁ・・・
そして俺たちはその後も練習を重ね、本番へと臨んでいった・・・
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