第2話 学校での三姉妹
「やっと着いた・・・」
結局あれからなんやかんやあって俺たちの学校到着時刻は遅刻ギリギリになってしまった
「ああもう!あんたのせいで、ギリギリ、だったじゃない!」
息を切らしながらも双葉が俺に牙を剥いてきた。
「お前、息切らしてるくせに人にいちゃもんつける余裕はあるんだな」
「何よ、カナタの癖に生意気なこと言うじゃない」
「なんだよ」 「・・・なによ」
俺と双葉が火花を散らしていると和葉が仲裁に入った。
「ま、まあ2人とも、ハァハァ、落ち着いて、そんなこと、ゼーゼー、してないで、中に、入ろう?ゼーハー、ふぅ」
「「いや、お前(あんた)が一番落ち着けよ(落ち着きなさいよ)」」
「あれぇ?」
この事態を見かねてか三葉が声をかける。
「ま、まあとりあえず遅刻しなくてよかったじゃないですか!さ、とりあえず中に入りましょう!」
そう言われて俺たちは学校へ入る。そういえばアイツらって普段学校でどんな感じなんだろうか?こんだけ個性的な奴らだ、きっとさぞ苦労しているに違いない。
♡
「おはよー葵♪」
「あ、和葉じゃん。おはよー、なんか今日くんの遅くね?」
「あははぁ・・・実はちょっとだけ寝坊しちゃってさ」
ホントは双葉がカナタ君に突っかかってたせいなんだけど・・・
「へー、てか和葉汗だくじゃない!?」
「あー、家からここまでダッシュできたから多少ね?」
「全然多少じゃないよ!ほら、これでさっさと汗拭きな、私部活の時のために多めに持ってるし」
なんとっ!この私にタオルを恵んでくれるのか。やっぱり持つべきものは友だなぁ・・・
「ありがとう葵〜やっぱり私は葵が友達で良かったよ〜」カバッ
「コラッ!抱き付くより先に汗を拭く!抱きつくのはその後!」
「にししぃ♪知ってる♪」
♢
「おはよー」
「あっ、双葉ちゃんおはよー」
「なーんだ双葉委員長がボロ出すとこ見れると思ったのにー」
「そう簡単にボロなんて出さないわよ」
「ちぇー」
「まったくもう、なんなのよ」ブツクサ
「おはよう、ふたちゃん」
「おはよう麗香、調子はどうかしら?」
「うん、おかげさまで大丈夫そう。ふたちゃんは・・・ずいぶんと暑そうだね」
「えっ!?あっああ、これはちょっと今日姉妹の世話で出るの遅くなったせいで走って来たから・・・」
ホントはカナタに説教してやったからなんだけど・・・てか私そんなに汗かいてたの!?めっちゃ恥ずかしいんですけど!?
「そうなんだ、あっそれじゃあ」ガサゴソ
「?」
「はいこれっ、タオル」
キュウーーーーーーーーン!!!!
何この可愛い生き物!?いくらなんでも可愛すぎるんですけど!?ああもう我慢できっこない!
「麗香ぁーーーーー!!!!」
「えっ!な、なにふたちゃん?暑いよ」
「可愛いよお麗香ぁ!私たち一生ともだちだよー!」
「っ!うん!」
♧
「おっはよー!」
「あー三葉おっそーい!マジで遅刻するかと思ったー」
「えへへ、ちょっと色々あってさー!」
「なにそれー?てか数学の予習した?」
「あーっ!すっかり忘れてたよ!愛菜!見せてお願い!」
「えー?まあいいけど、てかバレー部の助っ人の話しなんだけど・・・」
「その話?もちろんオッケーだよ!」
「まじで!?よかったあ、三葉がいてくれたら百人力だよ!」
「いやいやー、そんなこと言われたって何にもでないよ?」
「いやまじで!三葉って基本スポーツなら何やらせても上手だし、マジで信頼してる!」
「あ、あいなぁ〜・・・」
「まっ、勉強はからっきしだけどね〜」
「むぅぅ、あいなぁーーー!!!」
キーンコーンカーンコーン
「いやー、やっぱりお昼は」
「この3人で食べるに限るわね!」
「そうだね!」
「今日のお弁当当番って誰だったっけ?」
「今日の当番私はだよっ!」
「てゆうかそれぐらい覚えたときなさいよ、まあ、三葉が作ってくれるなら安心だわ。誰かさんみたいに冷凍食品ばかりにならないしそれに調味料も間違えないもの」
「あははー、一体全体誰のことかなー?」
「あんたのことよ」
「えー?そ、そんなことよりもほら!ご飯早く食べちゃお!双葉、次体育でしょ?」
「そうねそれじゃあ頂こうかしら、美味しいお弁当」
「はーい!それじゃあ皆んなでぇ?」
「「「いただきまーす」」」
「ところでお二人さん♪放課後って予定ある?久しぶりに遊びに行こうよ」
「放課後?申し訳ないけど私は委員会の仕事があるから無理よ」
「そっか、それじゃあみつh・・・」
「ごめん!私今度のバレー部の試合に助っ人で呼ばれてるからその練習があって」
「そっか、暇なのは私だけか、2人ともがんばってね」
「言われなくてもそうするわよ」
ホウカゴー
「今日も疲れたな、アイツらに会う前にさっさと帰るか」
基本的にアイツらに会うとどこかに連れまわされる。俺は学校が終わったらすぐに帰ってゆっくりしたい派閥なのにアイツらはそれを気にも留めない。だから早いとk・・・
「カーナーター君っ♪」
「痛って!?なんだ・・・てゲッ和葉か」
「ゲッて・・・傷ついちゃうなぁ傷ついちゃったから言うこと聞いてほしいなー?」
「そうか、それはまた今度な」
颯爽と帰ろうとしたがすかさず和葉が俺の腕を掴む。
「なんで先に帰ろうとするかなー?そういうのノンデリカシーって言うんだよ?カナタ君がそんな男だったなんてがっかりだなー」
「んなこと言われても俺はさっさと帰りたいんだよ」
「うーむ・・・あっそうだ、カナタ君に問題です。今日の晩御飯当番は誰でしょうか?」
「今日確か・・・ってまさか!?」
「カナタ君が着いてきてくれたら外のものを注文します。でももし着いてきてくれなかったら・・・」
「くれなかったら・・・?」
「私が自分で作ります」
「よし和葉!どこに行きたいんだ?」
「即答かあ・・・それもそれでなぁ。で、私の行きたいところなんだけど・・・ゲーセンに行きたいかなって」
「ゲーセン?でもなんで急に」
「そ、それは・・・」カクカクシカジカ
「へー?妹たちと予定が合わなくてそれで俺にねぇ?ふーん?」
「こ、言葉もございません・・・」
「・・・ぷっははははは!」
「・・・ッ!!!」
「お前っ!意外とそういうとこあんだな!ほらっ!さっさと行くぞ、時間しなくなっちまうぞ!」
「ふふっ、はーいちょっと待ってよー!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます