第3話 魔王城でメンヘラ魔王との修行
「おわわぁぁぁぁっぁぁっぁああ!!」
瞬時にベットから飛び起きると、そこから眠たそうな顔をして目をこする魔王の姿があった。
「…なんじゃ、起きておったのか」
俺はすかさず自分の体を見回す。
俺はまさか…やってしまったのだろうか…ついに…異世界で…高校卒業よりも早く下の方のあれを卒業してしまったのだろうか…。
「なんじゃ、ひどい顔じゃのぉ」
「昨日は、楽しかったな」
「あんなにも胸躍ったのは実に数百年ぶりじゃな」
ベットから起き、早々に服を着始める魔王は嬉々とした顔で俺に語り掛けてくる。
一体何がそんなに楽しかったのか、俺にはその記憶がないのが一番ホラーだ。
「それはともなく、今日から修行を始めるぞ」
「修行?」
咄嗟にそう返してしまったが、俺はこの魔王様に対しての接し方というのがまだ分からないでいる。
救世主としてあがめればいいのか、それとも…。
「恋人として、接してくれればよいが?」
「……っえ」
思っていたことをそのまま口に出され、まるでカエルのような声を出す。
「邪神の魔眼には、それぞれの階級にもよるが思っていることを見る能力もあるんじゃ」
「現状のお主では、考えていることは全て筒抜けであると思った方がいいぞ」
階級…おれが虐げられてきた所以でもあることもあり、正直それを聞くだけでマウントを取られているいる気もするが…。
まさか全て筒抜けだったとは…。
「階級制度に関しては、知っているな?」
「まぁ…一応、散々それでマウントとられてたからな」
階級制度、わかりやすく言うとレベルを4段階に分けたもの。
1から20のレベルの人間や魔物を含む全ての生物を下級生物、21から40までを中級、41から60までを上級、61から80までを超級、81から100までを帝級と呼ぶ。
また、下級生物が主に住むダンジョンは低級迷宮(ダンジョン)と呼ばれたりする。
よくクラスメートの中では中級のトップ層がマウントを取っていた。
「そうだ、ただそれには間違いが一つある」
「101から1000までは生物のことを冥級と呼ばれる」
「まぁ、もっともこれは一万年に一度生まれるかどうかすら怪しいレベルだが」
「今この世界には、冥級が私を含め7人いる」
俺の全く知らない事実に、作り話なのではないかと一瞬疑うがあのパンチを見た後ではそんな疑念は一瞬で消えた。
俺は改めて自分のステータスを見る。
俺が見限られた原因にして、残酷すぎるほどの現実と向き合う。
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九先日隼人(魔法剣士)
レベル1
HP12
MP1
物理攻撃力43
魔法攻撃力23
攻撃魔力21
回復魔力54
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「お前にはこれから、そんな冥級生物のひしめき合っている冥級迷宮(ダンジョン)に潜り、修業を積んでもらう」
俺は全身から血の気が引いていくのが分かった。
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