きぬぎぬ

霧這

山百合が迎える夜道で

チューベローズ畑に迷い込んだ

昨夜ゆうべの遅れた思春は

炭酸水が踊れば心花火も躍る

ティヤムは如何いかん

照らされゆる否か危ぶむ

雲取りがいくひら触れる虧月きげつ

車内のLo-fiが耳残りも

あからめる心地酔いも

幻現まぼろしうつつの有無は

入り口で大風に折られる

薔薇は秋へ伸びる柔らかさ

手櫛風が落としたしべ

円網えんもうが掬う真上で

蕾を喰む羽虫に憂う

枯れ際のカサブランカ

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きぬぎぬ 霧這 @Sachi8hyA9sya7

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