ひといきすぎたわたしへ

夜凪 大虚鳥

儚 2021.6

雨粒がアスファルトを叩く

逃げ水乗っ取る水たまり

広げる波紋は静か

水滴が皮膚を伝う

温度を奪う守銭奴は

水無月の日を買い込み膨れ

水滴が頬に落つ

泣いてるようだと他人の声

消した心の帰る場所

視界を奪う飛沫

目眩し物は去りしもの

足元の影冷え再び差昇り

首を絞めた自分の手を

雨が解いて行きました

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