UMA 2021.8
指先から滑り落ちた感触に
気がついたら見えなくなった
あなたの存在ゆらゆらと
ファインダー越しの視界
はっきり見えているからといって
手を伸ばしても届かないとしってるわ
口の中転がした言葉は
言えないままに飲み込んだ
信号待ちした私を置いてく
遠くのあなたに手を振って
ゆらゆら動く地面のハシゴ
私を振り落とそうとしているの
欠けてしまったガラスを
いくら溶かして戻したところで
それはあなたじゃないのです
あなたの残滓をかき集めても
あなたはどこにも居ないのです
目を閉じてそれにようやく触れ
あなたは誰にも知られず
そこにあった
のに
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