なんたら計画

バブみ道日丿宮組

お題:嘘の計画 制限時間:15分

『さぁてさぁて、今日はとことんコテンパンにしてあげましょう』

 居間の窓から入ってきた彼女は、奇妙な格好をした。ピエロにしては赤すぎるし、制服にしては飾りが多い。俗に言うコスプレというやつなのかもしれない。

 なんにしても、入ってくるなら玄関からにしなよと、革靴を受け取り玄関に置いてくる。戻ってくる頃には、彼女はだいぶラフな格好になってた。

 どうやら、制服だと思ったのは、ジャンバーだったらしい。そして制服に見えたのはまんま制服。僕たちの通ってた懐かしきものだった。

『今度旅行に行くときの格好をしてみたの』

 なるほど。なるほどね? そんな目立つような格好で行くのか。不安でしかない。ただでさえ、銀髪赤眼という他とは違うものを持ってるというのに、なお目立つことをしようとするのか。

『赤は別に目立つものじゃないから』

 十分目立つとおもうんだけどな。まぁ青も緑も、黄色も目立つか。

『計画どおりに進めるから、用意しておいて』

 聞かされてないことはできないなぁ。

『じゃぁ、メッセージ送る』

 スマホを取り出した彼女はなにやらを操作して、数秒。僕のスマホが振動した。

 なになに、楽しいハロウィンツアーをします。

 ハロウィン? こんな春に?

『本当はただのデート。こんなのはただの嘘』

 紛らわしいことをするものだ。

 デートの予定は先に言ってほしい。ほとんど部屋着に近いもので出かけることはできない。

『それもかわいいと思うけれど』

 彼女の手が伸びてきて、抱きしめられた。

 濃厚なミルクの甘い匂いと、無駄に大きな胸が顔をしめた。

 もがけばもがくほど、その間に入ってく。

 助けてと声を出すが、彼女は笑うばかりでそれ以上のことはしない。

『もこもこしてて羊みたい』

 そういう部屋着なんだ。パジャマにも使ってる。

『それは見たことないね? わたしと寝るときはちゃんとしたパジャマじゃない』

 それはそうだ。食べられるかもしれないのに、ただの部屋着というのはあまりグッとこない。おそらく彼女もそう思うと思って、普通にしてたのだ。

『そういうところが本当にかわいいんだから』

 なんとか脱出したが、今度は後ろから抱きしめられ、膝の上に座らせられた。

 僕がコンパクトということもあるが、これは子ども扱いされてるようで不満だった。

『あなたがかわいいからわたしは遊んでいられるのよ』

 よくわからない理屈だった。

 首筋を舐められて、乳房を鷲掴みされ、声が漏れた。

『このままでもいいけど、これに着替えてみて』

 若干意識が飛びかけた僕に彼女はカバンに入ってた衣装を取り出した。

『くまさんパジャマ』

 きぐるみだった。

 えっ、こんなのを着た状態で犯されるの?

『大丈夫。気持ちいいから』

 そういうことじゃなくて!

 僕の否定は、彼女の肯定によって、すべてなかったコトにされ、そのまま美味しくいただかれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

なんたら計画 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る