第2話   みんないかないで!

それから数日後


「 シバっち? いっしょにあそぼ! 」


「 まる・・」


いつもの元気がないシバっちは、下を向いたままモジモジしていました。


「 どうしたの? 」


「 きのう、ぼくにあいにきたひとがいたんだ 」


「 シバっちもいっちゃうの?」


「 たぶんね、だってぼくたちは、きょひすることができないから… 」


「 そうなの? 」


「 うん、かなしいけど、かぞくになってくれるひとがきめることだから 、そのひとのことをかぞく、っておもうしかないんだ、たとえ、それがにがてなひとでもね 」


「 シバっちがいなくなったら、まる、さみしい 」


「 ぼくもさ、せっかくおともだちになれたのにな…でも、まるはかわいいから、きっとやさしいひとがきてくれるとおもうよ…あ、おむかえがきたみたい…じゃあな、まる! 」


「 シバっちッ!・・ 」



シバっちはきれいな女の人と一緒に、ほのぼの園を出て行ってしまった。



この日は他に、ぷうちゃんとセンくんのふたりが、新しく家族になる人と面会をしていた。



翌日になると、ぷうちゃんとセンくんも・・・



とうとう私はひとりぼっちになってしまった。



その夜は満月だった。



窓から見えるお月様を見ながら



不安と淋しさで涙がこぼれた。

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