第2話


「もしも生まれ変わったら何になりたい?」

キミはそんなことをよく聞いた


それはあまりにも脈絡なく繰り出され

そういう展開を考えていなかった僕は

毎回その質問に面食らってしまう


だから答えはいつもバラバラで

犬とか猫とか、たまに人間なんて言ってみて

そんな在り来たりなことを言う僕を

キミはおだやかな顔で見つめていた


「じゃあキミは何になりたいの?」

あるとき思い立って尋ねてみた僕を

キミはなぜだか眩しいものを見るように

目を細めて見ていたっけ


「秘密、」だなんて

分かりやすくはぐらかすキミに

もっと深くまで問いかけることが出来なくて


ああ、やっぱり僕は臆病者だ

そんなことを思いながら

夕陽に伸びるキミの影へと

そっと手を伸ばしてみるのだ

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