日常生活-9

そして。

今年の新入生名簿にあの子の名前があった。









猪熊由貴。

それがあの子の名前。









散々遊びまくっていたけれどそれも今年の春でやめた。

なんとなくしない方がいい気がした。







「颯太ももうちょいで卒業か」

「陸親父くさい」

「何か言ったか?」

「何にも?あ、そうだ。陸、由貴くん覚えてる?」







目の前にいるこいつは柳陸也。

俺がバイトしてる店の一応店長。









「由貴て翼と付き合ってた?」

「そ。あの可愛い由貴くんだよ」

「で、由貴がどうした?」

「うちの大学に来るんだよ」







陸は珍しいものみたみたいな顔していた。







「何か手回しただろう?」

「回してないよ!メールしといただけ。他に行きたいとこないならおいでって」

「由貴にライン送れなかったけどな俺は」

「電話番号変えただけじゃないの?」







チームのみんなに店オープンする時にメッセージ送ったんだっけ?









「よし。颯太!お前由貴店に連れて来いよ!」

「気が向いたらねー」







春から楽しみだな。

また由貴くんと会えるんだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る