日常生活-5

「なぁ知ってるか?橘先輩また隣の女子大の女を喰ったらしいぞ」




橘颯太。

桜燐館学院大学の学生会の会長で俺が好きな人。





「こんにちはー」

「由貴くん!やっと来たね」




俺がいつものようにサークルに顔を出すと、橘先輩が近づいてきた。




「ちょっ!?橘先輩!」

「先にいってるからね!」



橘先輩は、そう言うと俺から離れてコートに向かった。

ったくあの人といると、いくつ心臓があってもたりやしない。



「由貴くん。ストレッチしようか?」

「はい!」




橘先輩と俺はよく一緒にこうやって、ストレッチしたりしている。




でも、橘先輩は……。




「由貴くんの体柔らかいー!」



こんな風にセクハラみたいなことを言ってくるんだ。




しかも。



「橘先輩。重い」

「重くないでしょ?」

「全体重をかけられたら重い!」

「由貴くんちっちゃいもんね」


人が気にしていることを。

昔からそうだ。




俺は別に橘先輩にベタベタされるのが嫌いではない。

だから困るんだよなー。





先輩にとってはただのスキンシップだから。





そう。

特別な意味なんてないから。

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