平穏だった日常

 歩き慣れた道を行く。僕の家から学校は徒歩5分ととても近い。そのおかげて朝はゆっくりしていられる。




予鈴が鳴ると少し急ぎ足で学校へ向かう。いつもの下駄箱に靴を置き、上靴へ履き替え教室へ向かう。ガラガラという音と共に教室へ入る。あいつがこちらを見た。何も知らないような顔をして彼の前を通り過ぎ席に着く。ガヤガヤとした中僕を見つめる瞳が痛いくらい真っ直ぐでなんならめちゃくちゃ好かれているのでは?


なんて考えてしまうほどだ。


 


一限二限と時間は着実にすぎていく。


やっと6限目が終り帰ろうと思った矢先。あいつが声をかけてきた。少し小声で。


なぁなぁ放課後空いてるよなぁ?第二校舎の2階の男子トイレに来いよ。


  僕は訳が分からぬまま急いで向かった。彼よりも遅く着くとなにかされそうだからだ。ここのトイレは初めて来たが、とても広い。個室の中に入り彼を待つ。身を震わせて。

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