中学に告白を断った陰キャ眼鏡が銀髪超絶美少女に成って義妹に成った〜僕を惚れさせる為に色々と色仕掛けして来るが、逆効果だと何時気づくのか?〜
これはデートでは無い。これはデートじゃない。デートじゃない。(大事なことなので3回言いました)
これはデートでは無い。これはデートじゃない。デートじゃない。(大事なことなので3回言いました)
今日は弁当箱を買いに行く。何故か白奈さんと一緒に。
ついでに弁当箱を新調しろと言われたのだ。
父の指示に従うのは嫌だが、義母の面目を立てる事にした。
義理とは言えどね。白奈さんの服は白色をベースとしたワンピースを着ていた。
「いってきまーす」
「言って来る」
そして僕達は近くのデパートに向かった。
目的を達成したらさっさと終わらせよう。
そう考えながら進んでいると、白奈さんから話を切り出す。
「ね、私の格好どうかな?」
「どうって、白いな」
「似合ってる?」
「あーうんうん」
「似合ってるか〜ありがと!」
⋯⋯。
「天音君って、人に対して平等だよね。良くも悪くも」
「まぁ。僕は誰にも期待してないからな。だからこそ、君が何をやっても失望はしないんだよ。ただ、変な人だな、とは思うけど」
「そりゃ酷い。つまり無関心なんだ」
「だな」
「じゃ、私に対しては、その思いを真逆にしてあげるよ」
「⋯⋯無理だな」
「そんな事ないもん! 割とラブコメ漫画のテンプレを網羅し始めてるのに恋愛フラグ立たないとか、無いから!」
「あそ」
朝から騒がしい奴だな。
「何でそんな人に無関心なの?」
そう言われ、僕は母さんの姿を思い出す。
酒瓶を右手に、お供のジャーキーを左手に、酒瓶を持つ手の人差し指を僕に向けながら言うのだ。当日は小学生だった。
『人を信用するな。どれだけ友だと親友だの言っても、最後の最後で裏切る。人間口だけだ。信じるな、己だけを信じ磨け』そう言って来たのだ。
ただ、そんな母さんはこんな事も言っていた。
『ただ、わたしはお前の母親だ。だから、わたしはお前を裏切らない。だから、お前も裏切らないで欲しい。本当に信頼出来る人は、この世には居るんだ。わたしの場合は天音、君だよ』
その後、酒に潰れて寝ていたが。
そしてデパートに到着した。
「広い!」
「田舎の子供か!」
「田舎の子供に失礼! ま、結構来た事あるけど」
「何で言ったんだよ」
「何となく?」
そして売っている場所に向かい、それぞれ手に取る。
僕は普通に機能性が高い物にした。
「天音君天音君、これ可愛くない?」
「⋯⋯」
「え〜そんな、私の方が可愛いなんて〜もう!」
「何も言ってないんだが?」
ちなみにその可愛いと言って持って来たものだが、うさぎの模様だったのだが、しゃくれアゴだ。
可愛い、らしい。
「あ、これも良いかも〜」
「⋯⋯」
次に手を伸ばしたのは、なんかスッキリした顔をした花の絵柄だった。
どうしても、それに僕は可愛いとは思えなかった。
僕は一つ、雪が降り注ぐ絵柄の弁当箱──さっきまで取っていた形と同じ物──を手に取り、白奈さんに差し出す。
「こ、こっちの方が白奈さんに似合うと思う」
「⋯⋯ッ! ほんと! じゃあコレにする! 天音君が選んでくれた物だし!」
「あはは」
普通が一番。
白奈さんが頬をピンクに染めながら弁当箱を凝視してる。
そして一言。
「天音君のセンス⋯⋯」
「なんか文句あるか?」
「うんうん。天音君が選んでくれた。それだけでとっても嬉しい」
「あそ。会計するぞ」
父から金を受け取ったが、父が稼いだ金に手を出すつもりは無い。
なので、自分の財布から白奈さんの分も払う。
父から貰っている事を見ているので、特に何かを言う事も無く払わせる。
店員は男で、何か凄く嫉妬の籠った瞳だった気がするが、気の所為だろう。
それから帰ろうとしたが、白奈さんに腕を引っ張られる。
「少し寄ってこ」
「何処に?」
「服屋」
「断る」
「なんで!」
「必要ないから」
「あるよ! 天音君私服夏冬と二種類づつしかないじゃん!」
「十分だろ」
「そんなの絶対に見飽きるしダメだよ!」
「要らん。帰る」
「早く行こー」
なんて言う力なんだよ。
僕の力じゃ勝てずに、引きずられる様に目的地に向かった。
そこで白奈さんが服を選んで、僕が試着する感じだった。
服を着て自分の姿を見るんだけど⋯⋯。
「厨二病。違うな。純粋にダサくね?」
ドクロマークがど真ん中にある白色をベースとしたTシャツ。
この姿、高校生である僕が見せる姿なのだろうか?
それに僕はインドア派なので、もう少し落ち着いたデザインと色の方が好きだ。
段々と僕の中で疑問が膨らんで行く。
「白奈さん」
「何ー」
「白奈さんの服って、お義母さんが選んでました?」
「え! なんで分かったの?! はっ! 流石は天音君だね。私の事を一番理解してくれて⋯⋯」
我が義母は大変な思いをして、今に至るのか。
少し同情してしまった。
取り敢えず外に出て、着た姿を白奈さんに見せる。
「かっこいいよ!」
白奈さんは目を星の様に輝かせて言ってくらるが、店員が僕の姿を見て、目を逸らした。
少し体が震えている。
「(あ、天音君が照れてる。これは無関心ではないね!)」
他人の評価何て関係ない、そんな思いもあるが、流石にこの格好を店員に見られ、しかも笑いを我慢されるのは、恥ずかしい。
しかも、なんかやってやった感の顔をする白奈さんに無性に腹立つ。
取り敢えず、自分で選ぼうかな。
今着ている服を脱いで、片付ける。
「買わないなら、私がプレゼントしようか?」
「まじで止めて!」
「食い気味?!」
選ぶまで終わらないなら、自分で選んだ方が全然良い。
真剣に考えていたら、さっき目が合って逸らして来た店員さんが服を持って来た。
ジト目を向けてやると、目を合わせない様にして来た。
ただし、口元が少し緩んでいる事に気づく。
あぁ腹立つ。
「こんなのはどうですか?」
「うん〜少し渋いのでは?」
「いえ、着てみます」
白奈さんが普通に断ろうのしたが、僕は良いと思い試着する事にする。
黒色をベースにした服装で、落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
店員さん。腹立ってすみません。
貴女のセンスは認めます。
「あの、これ買います」
ちなみにこのまま帰る事はしない。
きちんと元着ていた服に着替えて、服を購入する。
「天音君にはさっきのが一番似合ってると思うのに」
「もうお前は黙っとれ」
レジをしている時に、小声で店員さんが「仲が良いですね」と、営業スマイルなのか、思い出し笑いなのか、そんな笑顔を向けて言って来る。
これは店員さんが『勘違い』していると思って受け取る事にする。
そして、昼食を食べて帰る事にする。
目指すはフードコートである。
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