ワシの血が飲めんのか!

チェシャ猫亭

夏の夜の居間にて

「やだ、また刺されちゃった」

「あたしもだよ」

 孫の美緒と渚がきゃぴきゃぴいっている。

 三郎は気分が悪かった、ここ数年、蚊に血を吸われたことがないのだ。

「年寄りより若い子の血の方がおいしいのよ、きっと」

 娘の香織に言われて、むっとなる。

 ワシだって日々、栄養に気を付け若さを保っておる.血の味だって悪くないはずだ。

 差別は許さん、と三郎は叫んだ。

「ワシの血が飲めんのか!」

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ワシの血が飲めんのか! チェシャ猫亭 @bianco3

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