まんまとやら。

極上乃愛

第1話

『ねぇ!ヴィッキー。ノエルとロビンとお茶することになったの♡』


そう嬉しそうに私のとこにやってきたのは

まだまだ大人の恋には未知すぎる双子のエライザとアナベル。

顔がほぼ瓜二つのとこなので、「白と黒」で何とか見分けている。

彼女たちとは小洒落た屋敷で今どきでいう「シェアハウス」をしている。

もちろん私と同世代のノエルとロビンもその住人である。


基本的には皆が想像するような、在り来りな共同生活をしており

男女で、となるとやはり色恋話は起きるもので。

エライザとアナベル姉妹(ここからはイザベル姉妹と略そう)は

引っ越してからすぐ、白いイザベラは少し目付きが怖いノエルに

黒いアナベルはシルクハットがお似合いのロビンに一目惚れした。

まぁ、ノエルとロビンと私3人で街へ遊びに行くと

町娘たちからの目線が鋭く、痛いほど2人の容姿の強さを知ったので

イザベル姉妹が惚れるのもおかしくはない、とは思う。


だが、彼女らの恋愛は決して全てが良く進むとは思わない。

なぜなら過去に、自分もこの屋敷で恋をして、

共同生活だからこそ辛い思いをした。

その相手はもう去っていったが。

彼女たちにはそんな思いをさせたくない。


だから私、ヴィクトリアは2人に冷たく当たってしまう。

『そんなの今だけよ、精々楽しみなさい』



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