第2章
第10話 神引き
俺は魔法陣から異世界へと降り立った。
すると今回はいつもと違い目の前に神殿が見える。
「おお、本当だ。街の入り口じゃなくて神殿の前にいるぞ。これは楽ちんだ。さっそく神殿へ入ろう」
神殿に入り、【神界の本棚】を利用するのだが、結果は芳しくない。リセマラが高速化され楽にはなったのだが、レアスキル本が出ない事には変わりはない。従ってリセマラを続ける事になる。
そうして高速化されたリセマラを続けている内に、ついにチャンスが訪れた。
スキル本を引く事が出来る【神界の本棚】と呼ばれる神界へと繋がるゲート。
1枚目の【神界の本棚 利用券】を使用して【神界の本棚】の扉を開くと、キラキラと虹色に光り輝き出した。
虹色の輝きの中から黄金に輝くレアスキル本が現れる。
「おおおっ! 1枚目からレアスキル本!」
「おめでとうございます!」
神官の女性アメリアさんも自分の事のように喜んでくれている。
勢いに乗り2枚目の【神界の本棚 利用券】を使用。扉を開くと再びキラキラと虹色に光り輝き、レアスキル本が現れた。
「連続でキターーー!!!」
「すごい! おめでとうございます!」
連続してのレアスキル本だ。これは嬉しい。アメリアさんと手を取って喜ぶ。この勢いのままと思って引くのだが、その後は残念な事にノーマルスキル本が続く。
最後の10枚目となる【神界の本棚 利用券】。なんと3度目となる虹色の輝き。
「おおおおお、3冊目!!!」
初のレアスキル本3冊引き。とても嬉しい結果に自然と顔がニヤけてしまう。大満足の結果を得て、浮かれながら俺は神殿を後にした。
そして浮かれた俺は神殿のすぐ目の前にある噴水の広場でスキル本の内容を確認する。
レアスキル本×3
【魔法レアスキル】〈仁恕の回復〉
パーティーメンバー全員のHPとSPを大幅に回復する
【物理レアスキル】〈武神の加護〉
攻撃力+100%アップ
【特殊レアスキル】〈才器の光彩〉
魅力+150アップ
ノーマルスキル本×7
【物理スキル】〈火炎斬〉斬撃に火炎が付与される
【魔法スキル】〈電撃〉電撃を放出する
【物理スキル】物理攻撃力+5%アップ
【物理スキル】物理攻撃力+5%アップ
【物理スキル】物理防御力+5%アップ
【物理スキル】物理防御力+5%アップ
【特殊スキル】幸運+5%アップ
〈仁恕の回復〉という回復スキル、HPとSPをまとめて回復してくれるとはありがたい。これは必須な気がする。
〈武神の加護〉は【物理攻撃力】が倍になるとは豪気なスキルだ。
〈才器の光彩〉は【魅力】が大幅にアップするようだが【魅力】の効果がよく分からないので、このスキルの良し悪しはさっぱり分からない。
ノーマルスキルに〈電撃〉という攻撃魔法もあり、全体的にバランスも良さそうだ。これで進めてしまっても良いのではないかと思える程だ。
とはいえ、結論を急ぐ事はない。
まずは次にパーティーメンバーになってくれる人がどんな人なのか、確認をしてみたいと思う。
今回は先の反省を踏まえて、パーティーを作るまでスキル本の使用を控える事にする。
レアスキル本を3冊も手に入れた俺は浮かれたまま冒険者ギルドへと向かった。
◇
俺はいま、冒険者ギルドの2階にある初心者用の窓口にいる。
ここに来るのは2回目という事になる。2回目の初心者だ。
前回同様、ニーナさんは俺の情報を確認したいと言う。俺が水晶玉に手をかざすとモニターに情報が表示される。
その情報を見て、ニーナさんが驚いた。
「えっ、シンヤ様は神界の仕事人様だったのですか! 初めてお会いしました。慈愛の女神クレア様の仕事人様なんですね」
ここも前回と変わらない。俺に対する記憶は都合よく消えているらしいので、これも当然か。
ニーナさんはこれも前回同様、本棚から背表紙に神界選抜冒険者一覧と書かれた一冊のファイルを取り出し、5枚のリストを抜き取った。
「シンヤ様はこちらのリストになります」
男性3人、女性2人の冒険者リストが手渡されたので、目を通す。
女神クレアの言う通り確かに前回と同じ内容のリストだ。可愛い娘と冒険したいという気持ちは何度〈
アグライア
〈レベル18 ディフェンスに定評がある。冒険者歴1年3ヶ月〉
ルージュ
〈レベル7 魔力値が特に高い。冒険者歴0ヶ月〉
前回と全く変わっていない。
個人情報保護法のせいで判断材料は少ないが、今回はルージュさんをパーティーメンバーにすると決めている。
「ルージュさんでお願いします」
「え? ルージュちゃん? あ、いえ、失礼しました。ルージュさんですね」
ん? なんだ? ニーナさんの反応がおかしい。
確かめてみる必要がありそうだ。
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