投資できるほどの資金力

バブみ道日丿宮組

お題:うへへ、投資 制限時間:15分

 尽きない欲望というのは存在してるが、尽きないお金というのはないこともない。

 縁を切ってたはずの両親からの遺産が、人生を100回は繰り返せるほどのもので相続するときにはびっくりした。

 独り身だった。

 だから、好きなゲームにお金を使おうと思った。

 マイナーであまり売上が伸びなかったソシャゲ(1000以内にも入れないレベル)。それにとりあえず3000万課金した。ガチャがたくさん回せた。限界突破も実装されてるやつはほとんどできた。

 桁が桁だけに、すぐに売上ランキング1位へ登った。

 SNSでだいぶ話題になった。

 どうしてこの作品が上にきたのか。ステマか、業者か。ざわついた。

 その作品を知らない人までもが取り上げてたので少し嬉しかった。

 これを一週間してみたらどうなるのだろうか。興味がでた。

 お金はこれだけ使っても0に近い消費だ。

 高級マンションの一室を買うことにした。独り身で寂しいこともあって、犬も飼うことにした。愛嬌を振りまく愛犬は凄く可愛かった。

 僕が死んだら、この遺産は縁を切ったはずの親戚に行くことになる。これは闇討ちされても仕方のないことかもしれないと、セキュリティを雇うことにした。

 生きてる間は死ななそうな警備力を得た。

 仕事はやめたので、愛犬と過ごす毎日だった。

 それもしばらくすると、さらに寂しくなった。

 なので、身寄りのない赤子を育てることにした。

 よく泣く女の子だった。3歳にもなるので、人を認識する。

 僕を味方だと認識されるまで、2週間ほどかかった。

 それからは慕ってくれた。愛犬も兄妹ができたかのように喜んでた。

 育児は大変だった。

 夜泣きをしたり、不機嫌になったり。

 僕も昔はこんなだったかもしれない。それで両親は放置したのか。構ってほしい時に何もしなかったのは、どういうことなんだろうか。

 愛はなかったのか。

 今はもう聞けない。

 親のようにはならないと、女の子を責任もって育てることにした。

 それから十年女の子は魅力的な女性へと進化を遂げた。

 わがままをいうことなく、きちんとした人に育ってくれた。

 やりたいことをやらせてきて、話もきちんと聞いた。

 その彼女は、僕を異性として愛してしまった。

 僕はもちろん好きだったけど、異性としては見てなかった。

 いろいろアプローチを受けて、結婚することになった。

 うーん、そういうことを願って投資したんじゃないんだけどなぁ……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

投資できるほどの資金力 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る