あ「逆に見なきゃよかったのって」

あ「あります?」

空「縛りは?」

あ「(1)最後まで見たこと、(2)教養ってことにして逃げないこと」

空「この話前したかどうか全く覚えてないんだけど」

あ「なに振ってもなにかしらの持ちネタがあるの、割と尊敬しちゃいますね」

空「初めて男の子に誘われて行った映画が『スパイアニマル Gフォース』で」

あ「どっちに……同情すれば?」

空「人と見る映画ってクソつまんねぇなぁって」

あ「男の子が正解でしたか」

空「用事あるからってその場でバイバイして、1人でそのままシャーロック・ホームズをハシゴしたの。クッソ面白かった」

あ「すでに胸が苦しいのですが、その後男の子とは?」

空「『好きな子と観る映画って、素敵に見えるね』ってメール来て、あれが面白い人と価値観が合わないなって思ってそれっきり」

あ「いや多分それ、当時それくらいしかデートで行けるようなのなかったのでは?」

空「博打打ってシャーロックならまた行こうって言ってたかもしれない。無難より好きなものでぶつかるほうが、お互い分かり合えるでしょ」

あ「そんな空さんと見たい映画がありまして」

空「このフリで?」

あ「『22年目の告白』か『ミライの未来』」

空「やめなさい! 敵が増える! いいところもあったから!!!!」

あ「雨穴『おかしい……この家……ど真ん中に庭がある……』」

空「間取りが気になり過ぎて感情移入が間に合わなかった」

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