《第一部》第2章 平塚亜季
第1話 姉の美希の行為を盗み見る
テニス部の練習から帰った私は、シャワーを浴びてから部屋で漫画を読んでいた。玄関のドアが開いたので、お姉ちゃんが帰って来たのだと思ったが、面倒なので部屋で居留守を使っていた。廊下を歩く足音は一つではなく、姉が彼氏を連れ込んだのだと知れた。隣の部屋の様子に聞き耳を立てていると、
「その辺に座って!着替えるから、待ってて」という姉の声がした。それから、ごそごそと衣のすれる音と、「ちょっと待って!」という姉の声に続いて、「我慢できない!」という男の声が聞こえた。
三カ月前に美希が告白して付き合うようになった彼だが、背が低くて小太りで、女子にもてるというタイプではなく、女子から言い寄られたのは初めてだった。
彼の重たい体が私の上にあって、身動きができずに苦しい。さっきから私の股の辺りをさまよっているが、彼のお腹の出っ張りが邪魔をしてちっとも先に進む気配がない。バージンを捨てるはずの相手に、彼を選んだのは失敗だった。やはり、もっと手慣れた相手にすべきだったと悔まれた。
「ねえ、そこじゃないみたいだよ。もっと下に行ってみて!」と催促する私に、彼はびっしょり汗をかいていた。ずっと股を開いた状態に辛抱し切れず、体を起こした所で妹の亜季と目が合った。まさか亜季が帰っているとは思いもせず、裸で男と抱き合っている姿をドアの
「あ、入ったみたい!ここで良いんだよね」と彼がうれしそうに訴えてきたが、私にはその実感がなく、何よりも痛くもかゆくもなかった。おそらく先端が入口に接しているだけだと思い、
「うん、そこで良いみたい。そのまま、ずっと入って来て!」と優しく導いた。ところが、彼の我慢は限界に来たようで、私の目の中に彼の顔から流れ落ちる汗が入ったのと同時に果てていた。
美希が彼に声を掛けた理由は、恋に落ちたというのでは決してなかった。これまでに美希は何人かの男子に告白して断られ、また男子から告白された事もなかった。そこで、バージンを卒業するための相手として、女子にチヤホヤされた事もなく、
二人の会話が途切れ、気になった私は部屋から廊下に出た。お姉ちゃんの部屋のドアは半開きになっていて、そこから中が見て取れた。身を屈めて見るとベッドが真正面にあり、その上で太股の間に大きなお尻がはまっているのが見えた。二人が体を重ねてエッチをしているのだと直ぐに理解し、そのまま私の目は釘付けになった。お姉ちゃんが下になって大きく脚を広げている姿は滑稽で、その上で大きな醜いお尻を振っている姿がいやらしかった。
しばらく様子を伺っていたが、急にお姉ちゃんが起き上がり、その瞬間目と目が遭ったような気がした。私はあわててその場を後にし、部屋に戻って身を潜めていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます