『思春期15歳』《第一部》
秋夕紀
《第一部》第1章 二宮夏奈
第1話 幼なじみの和馬に胸を触られる
胸に違和感を抱いて、目が覚めた。くすぐったいような、気持ちの良いような感じで、そのまま目を閉じてじっとしていた。おっぱいを触られているのは明らかで、その手は遠慮を知らなかった。しばらくして目を開けると、目の前に和馬の顔が迫っていた。
「おっぱいに触ったでしょ」と問い詰めると、和馬はすばやく手を引っ込め、真っ赤な顔をして押し黙っていた。
中学2年生の
二人は幼なじみで、和馬が小学校2年生の時に団地に引っ越して来て、同級生でもあり一緒に遊ぶようになった。夏奈の家は両親とも働いていて、小5の弟の
夏奈が寝てしまって、一人でゲームをやってても退屈だった。夏奈は畳の上に寝転がって、Tシャツの裾からはおへそが丸見え、ショートパンツの脚を開いて眠っていた。近くに寄ってみると、長いまつ毛がエアコンの風を受けて揺れていて、寝息とともに小さな胸の膨らみが上下していた。
「夏ちゃん、風邪ひくよ!」と声を掛けながら、衝動的に胸を触っていた。掌に収めると、柔らかくて温かくて、何か懐かしい感じを覚えてお腹の辺りがムズムズした。胸に手を置きながら顔をのぞくと、半開きのぽっちゃりした唇が可愛らしかった。顔を近付けると、夏奈の大きな目がいきなり開いてびっくりした。
小さい頃から内気でおとなしい和馬は、活発な夏奈には頭が上がらず、どちらかというと支配される関係にあった。和馬は自分に対する夏奈の叱責よりも、自身の発作的な行動への驚きと自責の念に駆られて居たたまれなかった。二人の関係に新たな一面が加わったのは、この日からだった。
黙り込む和馬の態度へのもどかしさと、この場の気まずい雰囲気がたまらなくなったわたしは、
「で、どうだったの?触ってみた感想は?わたしの、小さかったでしょ!」と茶化して言うと、
「そ、そんなこと、小さいかどうかは分かんないけど、柔らかかった」とぼそぼそと小声で返してきた。
「触りたいなら、触りたいと言えば良いでしょ!と言っても、触らせる訳がないんだけどね」と今度はきつく正すと、「ごめん!」とだけ答えていた。
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