付喪神と化した大和は異世界に行く

のほほん太郎

第1話は意志を持ってしまった朽ち果てた戦艦

われを、付喪神と人間は呼ぶらしい。

今から百年以上前に作られた

戦う為の船で俗に言う戦艦と

言われていた。

だか我はもう戦う事は出来ない。

無数の航空機による

爆撃と魚雷の攻撃により沈没して

今は海底で眠っている。

今では魚たちの憩いの場と

化していた。

かつての乗員達も多くはあの世に

旅立したがまだ成仏出来ず

彷徨うものも者もいるが

われにはどうしようもできない。

いずれわれは静かに朽ち果てる

そう思っていた。だか運命の

いたずらはどうやらわれを、

そうはさせてはくれないらしい?

ある日我に声が聞こえた。


「この声が聞こえたら返事して」


海底に眠るわれに聞こえる声に

うっかり返事をしてしまう


「汝は何者ぞ?われは大和と言う

かつて戦いの為に作られた船なり」


そう答えるとその声の主は


「私の名はヘブンスウォーター王国の

第2王女プリメア私達に力を貸して

欲しいのです。お願いします。」


清らかな乙女の心からの願いにわれは

つい返事をしてしまった。


「われで良ければ力を貸してやっても

良いが願いがある。わが願いは

戦いなり!かつて戦艦としてろくに

戦う事も出来ず沈んだ無念晴らせる

なら協力しても良い」


その問に対し


「私の国は今理不尽な力に侵略

されてます。

私達の世界に来てくだされば

あなた様の願い叶えられるはず

ぜひ私の国ヘブンスウォーター

王国に来ていただけませんか」


その問に対して


「だかわれはもはや鉄くずに等しい

存在なり役に立つのか?」


その問に対して


「私の国に来てくれたら新たな力を

用意出来ます。

ただ戦うのではなく力無き弱きもの

恐怖に怯える人々に救いと希望を

もたらす力が必要なのです。」


その言葉に大和は心動かされた。

かつては祖国の為に作られた船であり

人々の苦労の末に建造された大和は

その言葉に返事をする。


「われを、そなたの世界に

連れて行って欲しい」


そう言うと海底に大きな魔法陣が

現れて大和は海底からその姿を消す。

時はすでに西暦2065年に

なっていた。

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