百七十九話:
東雲東高校に二人で戻ってきた。
俺がミサの元にワープしてしまいリョウは焦ったようだが、移動している最中に合流し無事を確かめるとお嬢様学校に戻った。 だいぶゴブリンを虐殺できて満足した様子。 まだまだ駆逐には遠いのだが。 少しずつ進めていこう。 ボスゴブリンは油断できないし、魔王も控えているのだから。
「おかえりなさい、シンク君。 ……ミサちゃんも、またお泊りデートとはやってくれ……えっ? なっ、――まさかっ!?」
「ふあっ!? ちょ、玉木さん痛いですよおおおおおおおおおおおお!?」
ミサが玉木さんに強制連行されていった。
なんだか慌てた様子だったが……。
いったいどうしたというのだろうか?
「ふむ……」
しかしもし1800人が東雲東高校に連れてくることになっていたら、ちょっと厳しかったかもしれない。
お嬢様学校と違ってそんなに大きな敷地面積は無いのだ。
学校の周囲も領地化し壁で覆っているが、それを考えても1800人分の居住スペースをいきなり確保するのは難しい。
『クラフトワークス』のように倉庫街と大きな土地があればいけるかもしれないが、色々不足も出てくるだろう。 一応関わった身としては援助はするべきか。 最低限生活が軌道に乗るまではね。
いやミサのお父さんの印象を上げておこうとか、そんなつもりはないですよ?
助けに行ったことでだいぶ気に入られてしまって、またぜひ来てくれと、今度は一緒に飲もうと誘われてしまったのだ。
一応未成年だけどいいんでしょうか、鹿野警部補?
「あ、鬼頭君!」
服部先輩。
相変わらず小さくて可愛らしい先輩(♂)は、俺を見かけるなり笑顔でちょこちょこ走ってくる。
犬みたいだ。
小型犬の。
「ジョブについて少しわかったんだけど! 雪代さんか瀬名さんがいる時に、神社で『ジョブ』って唱えてみてくれる? それで、なにが選択肢に出てきたか教えてほしいな!」
『ジョブ』か。
そういえば、そんなのもあったな……。
なんかいろいろあって忘れていたけど。
ふむ。
戦い方で言えばファイターや剣士とか?
ガチャ使いとかないかなぁ~?
後で試してみよう。
「……」
東雲東高校の人たちは相変わらず忙しそうだ。
魚頭の脅威は去ったとはいえ、野犬の魔物の脅威は未だに残っている。
なによりライフラインが断たれ生活するのも一苦労だ。
今年の夏は暑くなるのだろうか?
温暖化でどんどん猛暑日は増えている。
世界中で車や電気、工場などが止まれば温暖化もとまるんだろうか?
とりあえず、今年の夏が心配だ。
夏はエアコンをガンガンで家でアイス食いながらネトゲがしたい。
「ガチャるか」
ハウジングガチャに期待。
【神々の祝福】も残っているし、まずは魂魄ポイントを貯めるか。
……【神々の祝福】、ガチャで使うのもったいなくね?
下手したら死者蘇生にも使えるのでは?
どれだけの奇跡を起こせるのかわからないが、ガチャで使うの違う気がする。
まぁ使うんだけど。
「お?」
西校舎三階へとやってきた。
久しぶりにシャム太が出てくる。
ひょっとしてある程度魔力が濃いところじゃないと、勝手に出られない?
ネペンデス君に浸食されてなんだか魔力というか魔素がこの階濃いんだよね。
異界迷宮に近い感じ。
「う~ん」
あんまり浸食しないように言ったはずなのに……。
またネペンデス君のテリトリーが少し増えている。
服部先輩にプランターを渡して『ネペンデス君式トイレ』を導入したし今更か。
シャム太の自由に動けるエリアが増えるかもしれないし、まぁいっか。
そのうち花と緑の城塞都市が出来上がりそうだ。
ジブ〇感強そう。
「シンク君!」「シンクくん!」「シン……!」
ガチャのアイテムを整理しつつ秘密基地をまったり整備していると、玉木さんと木実ちゃんと葵がやってきた。 三人とも真剣な表情で後ろからミサも疲れたような顔でやってくる。
なにやら「もうお嫁にいけない……玉木さん酷い……」などとエロゲのレイ〇被害者のような表情でブツブツ言っている。 一体この短時間でなにが!?
「「「私たちも欲しいなっ!」」」
「ぬ!?」
「「「指輪っ!」」」
三人とも左手を出してきた。
まさかの指輪おねだり3人同時ッ!?
俺のクレジットはなんやかんやですっからかんなのですよッッ!?
「「「お願いっ♪」」」
あわわ!
玉木さんと木実ちゃんの柔らか至高が両腕を包み込み、葵の絶壁が正面からタックルしてくる。
バレない位置で玉を弄るのやめいっ!?
まるで練習したかのように息ぴったりなんだが、なんという連携プレイ。
ちょっと葵は恥ずかしがってるのが可愛いぞ!
「……」
ミサが後ろで手を合わせ「ごめ~ん」といった感じでへこへこしてやがる。
あいつ指輪自慢しやがったな……?
1個2万クレジット……。
次に神秘商人のところに行けるのは満月の夜。
それまでに6万クレジット貯めないとだとぉ……!?
「シンク君♡」
「シンクくん、欲しいな♡」
「シン、欲しい♡」
3人からのおねだり攻撃に簡単に陥落してしまう俺。
最近ミサといることが多かったからか? なんだかみんな積極的である。
それともやっぱり『
有用な指輪でもあるし、頑張りますか……。
「うむ」
「やった! シンク君大好きっ」
「わぁ! し、シンクくん、だあ、だあいしゅき!」
「シン、……大好き」
大好き頂きました。
ちょっと木実ちゃん噛み噛みだけど、そこもまたいと愛し。
可愛い女の子たちに大好きとおねだりされる。
なんという高揚感。
ガチャの神演出かよっ。
男の甲斐性みせるっきゃないぜ!
――――――――――――――――
三章終了ですm(__)m
閑話を挟んで四章へ!
東雲東高校の生活は安定し、シンクの活動範囲が広がる!?
例の御仁もいよいよ登場かっ!?
夏の暑さがヒロインレースを加速させるっっ!?
真夏のおっぱい無双に期待('◇')b
……四章のあらすじ酷いな(笑)
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