20. 娘の友達はぐいぐいを阻止したい
「ご褒美ぃいい!?」
何故か
「正気なの
「
「うぅー……」
哀れ
「ご褒美って何が欲しいの?」
今にも泣き出しそうな
「私、欲しいのがいっぱいあるの」
「例えば?」
「
思ったよりも全然可愛くないやつだった。
お前それ絶対にクンクン用のYシャツだろ。
「わ、Yシャツぅううう!?」
いちいちうるせぇなぁこいつ。
「ど、どうしてそんなのが欲しいの!? 欲しいなら私と一緒に買いに行こ?」
「行かない。
「
「はぁーー!? あんた人のむす――」
「むす?」
「あ、あははは、今日は
「別に
いや、こいつが様子がおかしいのはいつものことか……。
「と、とりあえず! そんなのを
「
そこまで言うのであれば!
それが
何を迷うことがあるだろうか、俺は喜んでそれを差し出そう!
「絶ッッッ対にそんなの私が阻止してみせるんだから! 見ておきなさいよ!」
「ふんっだ。私だって絶対に
「ごめん、静かにしてもらえる?」
三人でそんな話をしていたら図書委員の子に怒られた。
※※※
「私、これから帰って勉強するから! 家に着いたらちゃんと連絡してね!」
図書館での勉強後、
今日も一日やかましいやつだった。
「じゃあ
「うん!」
「ねぇねぇ、
「なんだよ」
「ご褒美って何でもいいの?」
「俺にできることなら」
「本当!?」
「あんまり無理なものはやめてよ」
「うん! 頑張るから! いっぱい頑張るから応援しててね!」
夏の季節にはまだ早いが、
※※※
決戦当日。
目の下にクマを作った化け物が、俺の横を通った。
「何よ」
「すげー顔だなと思って」
体全体にいかにも一夜漬けしましたと書いてある
「うるさいわね。なんであなたは余裕そうなのよ」
「じたばたしても仕方ないからなぁ」
前の席の女子は教科書を見つめて全力でじたばたしているが……。
「……」
「なんだよ、複雑そうな表情して」
「ううん、
「それは同感」
「その一生懸命の矛先が
「はっきり言うなぁ。じゃあ
「そんなわけないじゃない。
(
「……」
「何よ、急に黙って」
「じゃ、じゃあ何でそんなに俺のこと目の
「なんとなく」
「なんとなくって……。そんなので、いちいち敵視される俺の身にもなってみろって」
「その返しもなんだけど、なーんか
「同級生に変なこと言われてる」
「そうそう、そういうところ」
「
※※※
一学期中間テスト! 結果発表!
「って! ぶっちぎりでお前が一番下じゃねーか!!!」
「あはは~」
「やったーーー!!
「
「特別良くないからなこれ!」
俺の五教科平均は六十点とちょっと。決して頭が良いとちやほやされる点数ではない!
「まぁ、そこの馬鹿に比べたら頭がいいかもな!」
「くぅうーーー!!」
なんだったんだあの必死さは!
なんだったんだあのいい笑顔は!
あと一歩で赤点になりかねない点数じゃないか!
「私の勝ちだからね!
「こ、
失 礼 だ ぞ !!
ここに本人がいるとは思わず好き勝手言いやがって!
そもそも
「じゃ、じゃあさ
琴乃が上目遣いに俺にそう聞いてきた。可愛い。
「あー、そうだった。結局何が欲しいの?」
「
「んっとね、えっとね」
「どうした。別に何でもいいぞ?」
「な、何でもいいんだ……!」
琴乃の細い眉毛がきりっと上を向く。
「
すぅーーと
「私と付き合ってください!!!」
次の授業の体育は剣道だ! 腕がなるぜ!
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