6-2. 同級生に怒られた! 痴漢編
◆
私のお尻を触っていた手を
「なにしてんだぁああああ!」
「お前は死刑だ! すぐさま死刑執行だ!!」
「な、なんなんですかいきなり!!」
「それはこっちの台詞だ!!」
「い、一体なんの話ですか!?」
「
ゆ、
こっちにも音が聞こえてきそうなくらい、
「い、痛い! 暴力は良くないですよ!」
「痴漢の方が良くないだろ! 俺たち高校生だからな! そっちのほうが社会的にまずいのは言わなくても分かるだろ!」
「ぐっ……ど、どこにそんな証拠があるんですか!?」
「こっちには被害者の証言があるんだよ! なぁ
私のためにこんなに怒ってくれてる!
そ、それにさっき俺の女だって……!!
「えへへへ」
思わず表情が緩んでしまう。
心がほわほわと暖かくなってしまう。
「こ、
「
「大丈夫じゃなかった」
何故か
「こ、
「えへへへ」
表情が崩れてしまうのが止まらない。
胸のドキドキがおさまらない。
「と、とりあえず! お前
「はぁ? 高校生のガキが大人にお前とか!」
「そんなの関係ないだろ。ガキの尻を触っといて何を言ってるんだ!!」
“次は〇〇駅。〇〇駅。お出口は右側です”
私は、お尻を触られたショックよりも、
※※※
私に痴漢をした人は、そのまま
すごく頼もしかった!
その後、駅員さんや警察の人に色々事情を聞かれて、時間はもうお昼を回ってしまっていた。
「いいか
「分かってるって~」
けど、それは私のことを心配してくれているからだというのが分かる。
それが何だか凄く居心地が良かった。
「ほ、本当に分かってるのか! 大体この前だって!」
「分かってるよー! この前も今日も
「違う! 違う! そうじゃない!」
そういえば、お父さんも私が危ないことをするとそんな表情で怒ってくれてたなぁ。
「いいか
その一言で胸がキュンとなってしまう!
同級生の男子にそこまで言われるなんて何だか恥ずかしい……。
けど、嬉しいしほわほわした気持ちになってしまう。
「
「だからそういうことじゃなくて!」
何だかお父さんに見守ってもらってるみたい。
死んだお父さんもきっと
「……今度、君のおばあちゃんと会ってじっくり話がしたい」
「えっ!? えぇえ!?」
と、ととと突然っ!!
「そ、それはいくらなんでも早すぎるよぉ!」
「いや、こういうのは早い方がいい。できるだけ早く会って話がしたいんだ!」
ドキドキしすぎて胸が苦しい! 息ができない!
「か、考えとく……!」
高鳴る気持ちを抑え付けて、何とかそんな返事をすることができた。
「あぁ。ありのままの俺の気持ちを君のおばあちゃんにぶつけさせてくれ」
「えぇええええ!?」
だ、ダメだぁあああああ!
こんなにドキドキする気持ちを抑え付けてなんておけないよ!!
「だ、だって――まだ付き合っても――」
声が出ない。
胸が爆発しそうで上手く声が出せない。
うぅ……。
同じ歳なのに
「どうした? 大丈夫か?」
「う、うん……何とか」
その言い方も本当にお父さんにそっくりだ。
「はぁ……。じゃあ気を取り直して映画見に行くか。最初にも言ったけど今日は俺の傍から離れるなよ
「うんっ!」
私は思わず声が弾んでしまっていた!
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