第15話【研修の後】
七瀬さんに業務を教わろうとPCの前に座る。
「じゃあまず・・・」
すると突然割って入る声。
「に、西野君!ちょっといいかな!七瀬君ごめんね!」
突然の三村さん登場に二人で一瞬時が止まる。
「あ、はい。七瀬さんすいません。」
「行ってらっしゃい。」
三村さんのデスクへ行き声を掛ける。
「御用でしょうか?」
「さっきもらったデータなんだけどさ、これってどのくらい時間かかったのかな。」
「すいません、簡単な作り過ぎましたかね。時間あまり取ってなくて、昨日作りました。」
少しの間、考え込むような表情をした三村さんに不安を覚えた。
「これ、凄いよ。思っていた何倍もいい、使いやすいし、こんな風にマクロも組んでるの初めて見たよ。」
「良かったです。使い物にならなくて怒られるのかと不安になりました。」
「勘違いさせてすまない。あまりに良い出来だったから。今から総務って言ってもすぐ隣だけど、提出に行くから西野君も付いてきてくれ。」
「わかりました。」
総務課へ出向き頼まれていたデータを課長に渡す。
使い方の大まかな説明をする。
視線を感じ目をやると、斎藤さんの姿があった。
知っている人に会うと少し照れくさい気持ちになる。
斎藤さんに小さく手を振ると、笑顔で返してくれた。
それを斎藤さんのシスターらしき先輩が気づき、斎藤さんに微笑み話しかけている。
何を話しているのかな、と考えていると、三村さんから戻ろうと伝えられ自分の課に戻った。
「七瀬さん、お待たせしました。」
「お帰り、じゃあはじめよっか。」
こうして本格的な研修がスタートした。
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