二元の世界で生きる
中筒ユリナ
第1話 二元の世界とは。
皆はこの地球に住み、地球人として何度も転生をしてきただろう。日本のみならず、時には異国の地を踏み、様々に経験を積み、そして今がある。
この地球は三次元世界だと言われている。三次元世界。。。
そして、よく言われるのが、漫画などアニメの世界を二次元の世界。
この2つの世界は誰でも耳にした事があるだろう。
私がこれより話す世界は、皆が耳にするその世界とは異なる世界だ。
では、私の経験を元にお話していこう。
申し遅れたが、私の名は「ジャン」
私には、弟と妹がいる。
父はある目的の元、私達を生み出した。
弟の名は「シリウス」
妹は「アレン」
弟のシリウスは、生まれてから後、光の神とも言う天界に預けられ将来、光の者となるよう、全ての能力を譲り受けた。
私とシリウスは幼き頃より仲は良く、彼に私は慕われていた。
父が妹を生み出すと、私は父に呼ばれ、父の目的を聞く事になる。
「シリウスにはまだ理解はできないだろう。しかし、お前には理解は容易いはず。
よいか、これから私の話をよく聞きなさい。」
父からの話の内容はこうだ。
全ての生きる者はその内側に、光と闇を宿している。
光とは、つまり愛であり、善とも言う。
闇とは、光の反対側を言う。
この相反する性質を各々が如何様にし、己を育て、進化、成長できるか。
その、成長する事こそ、地球を向上させ、宇宙人達にも影響を与え、宇宙全体をも向上させる。
すでに、先に生まれし者達はその闇と光のバランスを失い、暴走している。
そして、闇に落ちぶれた者達は、地球を支配し始めてから、あっという間に地球人を支配下に置いている。
シリウスは将来、光を司る者となりて、仲間達と共に皆を光へと導く使命を背負わす。
アレンは光ではなく、闇に傾く性質を持たせている。闇から如何にして光を見い出せるかをアレン自身だけではなく、娘を取り巻く者達にも経験させ、成長を促すアイテムとなる様にしていく。
そして、お前は己を如何にして使うかを自分で決めて良い。
私の事は、自分で決めろと。
何の答えも見つからないまま、時は流れていく。
やがて、シリウスはアレンとの記憶を父に消され、とある種族に預けられていった。私とは完全に離れる事に。
私はアレンと共に過ごすようになる。だが、彼女は、一定の成長を遂げるとそれ以上は、育たず、やがて父が迎えに来ては父の内側へと帰った。
そして、転生を繰り返し、成長が止まればまた帰る。
転生する毎に、父の思惑の方々に一人づつ、アレンは出逢わされていた。
将来、宿命とも言える者達である。。
アレンは、ひとりの女の子と出逢い、やがてその娘と共に過ごすようになる。それがきっかけとなり、アレンとも、私は離れる事になった。
私は父の傍ら、二人の成長の様子を見てきた。
父の思惑通りの展開が繰り広げられ、用意された道をシリウスとアレンは歩く。
そこには、かならず闇と光が存在していた。しかし、光は闇に比べて弱く、特に、アレンには光を見いだせないでいるようだった。
一方、シリウスもかなりの光のエネルギーを放つものの、闇に傾くアレンを救う事が出来ずもがいている。
何度も闇に傾いては、闇側にいる黒い影の者達に狙われるアレンを見て私は思うようになるのだ。
光を知る事は闇を知る事より容易い。
闇を知る事は、己を知る事に繋がる。闇を知る為に、闇はどこから来るのか。闇の存在とは。
それを知るべく、私は自ら闇側に行く事を決めた。
妹を救う事ができるかもしれないと。
父は、私に黒のはぎれと、とある条件を言い渡した。
「よいか、ジャン。境目に居るのだ。それより奥に行ってはならない。」
父からの黒のはぎれは私の精神を護る物とした。そして、父は暗黒の境目に私の住処を与えた。
アレンの記憶から、私というジャンは消され、シリウスだけに私の記憶は残された。
私はまず、彼ら闇側の者達に、怪しまれないよう、常に黒の者になりすまし、闇側の者達とも交流した。
闇側の連中が私には盾つかないように悪知恵を働かせ、闇に落ちてきた人々を牢に入れては痛ぶってみせた。
やがて、闇に落ちてきた人々は闇側になるだけではなく、因縁と呼ばれるようになる。それは、人々に留まらず、人々を導く神仏ですら、意図も簡単に落ちてきた。
なぜ、意図も簡単に落ちてくるのか?
そこには様々な要因はあるが、それぞれ内側にある闇と光が関係している事に気が付く。
父は、言っていた。
闇と光。双方持ち合わせていると。
しかし、なぜこんなにバランスが悪いのか?光をもっと輝かす事がそんなに難しいのか?
私の中で疑問が湧く。
ある時、とある闇側の者と話す事が私の疑問のヒントとなった。
それが、世界的な神としていた神の一人。彼は人々に厳しい習慣を言い渡し、我こそ偉大な神としていた。
彼は私に話す。
闇と光。元々バランスよく持ち合わせてなどいない。そもそも、生命は闇から生まれ、生まれた瞬間により、誰からかの光に包まれている。
つまり、外的要因は闇から。内側に光を経験し、創り上げていく。
そのような内容だった。
闇と光は、二元論と言う。2つの世界。
そして、一元論もあり、唯の無であり、何も無い世界。
だが、無こそが、闇を指し、我々は闇から生まれたのだと。
光を経験し、知るべく闇が存在する。
私はその神に尋ねた。なぜ、闇側に居るのか?と。
神は私に話す
「光はたった1つ自分の中にあれば良い。いつか、光に自ら戻る時に役立つだろう。
今は人間、人々がどれだけ成長出来るかを見届けるつもりだ。どれだけ、闇に傾きながら、光を見い出せるかを。」
彼は言葉通り、善とした神になりすまし、闇側に操られているかのようになっていった。
私は長年に渡り、因縁の世界から、闇側に通じている仕組みや、闇側の勢力が次第に大きくなっていく様を見る事になるのだ。
闇側の勢力も必死なんだと言う事もわかってきた。自分達の居場所を失わない為に、悪知恵をどんどん働かせ、利用できるものは何でも利用し、宇宙からの支援ですら、邪魔をしながら、地球を我が物としている。
完全に人々を支配下に置いたと考え始めた闇側の勢力は今まで以上に人々を光から遠ざけた。
しかし、私から見たら、決して、支配下に人々は落ちきってはいない。
まだ、望みはある。
なぜなら、人々、自ら光を、愛を求める心は残っているように見えるからだ。
ただ、目覚めてはいないだけで。。。
あの神が言ったように、自ら光に転じる時に役立つ日が来るのだろうか。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。