やばいです。
おまめあずき
イベント
第1話 すごいとこ、みちゃった……
第1話 すごいとこ、みちゃった……
私、音楽やるために上京してきた、
ちょっと田舎っぽいとこから親友と一緒に引っ越してきてて、今、まさに!
東京に着いたとこです!
「ビル、おっきいなぁ…」
上まで見上げると首が痛くなるよ……
私は、親友とルームシェアってのをするんだよね。
親友は先に家の方に向かっているらしいんだけど……
「えっと…?」
地図のアプリを起動して、検索欄に住所を入れる。
――……二の三っと。
どうにか長い住所を入れて、検索ボタンを押す。
……っと、えええ!? せっかく入力したの消えちゃった……もう一回かぁ……
そんなこんなで、やっとマップが出た。
「ふぅ〜」
これだけで疲れた……なんか自販機で飲み物でも買って……自販機どこだろ?
わかんないから、とりあえず家に行こう。
えっと、荷物が届くのが十二時だから……
ってやばいじゃん、あと十分くらいしかない! 時間ない!!
んん…こっちを右で……
こっち、左? あってるかな?
荷物届いちゃう! 急がないと!
×××
駅前から、しばらく歩いた先でのこと。
「こっちの方がいいだろ、絶対!」
「それだと尺短くなるって言ってるだろ!」
フェンスを越えた先で、言い合いをしてる人影が二つ。
えっ! 殴ってる!?
思わず足を止める。
だが、すぐにピシッとスーツを着た女の人が来て、ケンカを止めていた。
よかった…
怪我ないかな……?
まぁ、いっか。私はまた歩き出した。
……その時、誰かから視線を感じた。
私はそこまで気にせずに、家へと向かった。
家にたどり着くと、親友が迎えてくれた。
「朱歌、大丈夫だった? 荷物届いたから、整理しよ!」
「なんか、すごいとこ、みちゃった……。」
「なんか言った?」
「あ、ううん。」
私の携帯には、あの時ケンカをしていた二人が、楽しそうに話している動画の一部分が写っていた。
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