第12話 日本料理店へ
二人はスタジオを出てパリの街の中を歩いて行った。
「フランスパンってあのかたさがいいですね」
「表面のかたいところ、あそこが本当においしいね」
「フランスパンが食べたくなりました。どこかで買いませんか」
「そうだね」
二人はフランスパンの話をしながら歩いて行くと、日本料理店と日本語で書かれた看板があった。
「日本料理か」
「こんなところに日本料理店があったのですね」
「なんだか急に日本料理が食べたくなったよ」
「そうですか」
「フランスパンはまたあとで。今日はここにしない」
「そうですか」
二人は店の中に入っていった。
「日本の料理といったらおすすめはなに」
「やはり日本の料理と言ったら、おにぎりとつけ物とみそ汁です」
「おにぎりってお米をボールのように固めたものだね」
「そうです。このおにぎりは日本の食事を代表するものです。さらにご飯の中にいろいろな具を入れるのがとても楽しいのです」
「どういう具を入れるの」
「一番代表的なものはやはり梅干しですね」
「ああ、あの赤い色をした酸っぱい丸い食べ物か」
「そうです。ごはんと梅干。これこそ日本料理といったものです。おにぎりにしてしまうとうめぼしはご飯の中に埋もれてしまって見えなくなるのですが、ご飯を弁当箱の中に入れてその真ん中に赤い梅干を置くと日の丸弁当になります。どういうことかというと、日本の国旗をイメージしてみてください」
「白い色の真ん中が赤い丸になっている旗だね」
「日の丸弁当はまさにこの日本の国旗と同じデザインになっています」
「なるほどそうだね。日本の旗とそっくりだね」
「これこそ日本の食べ物といった感じです」
「おにぎりの中に入れる具にはこの梅干しだけではなくそれ以外にもいろんなものがあったね」
「そうです、うめぼし以外では、かつおぶしだとか、塩鮭、つくだ煮などが特に人気があります」
「いろんなものが入ると楽しそうだね」
「そうですね。しかし何も入れなくてもおいしいのですよ。おにぎりにはごはんのまわりに塩がつけられているため、それだけでもとてもおいしいのです」 つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます