祭りのあと・その後の章

その後①

 天野陽子

 これから家に入ります。

 怖い…



 川瀬樹

 大丈夫。言われた通りにしていれば

 問題なく解決できる。

 オレもすぐに行けるから。

 安心しろ。



 天野陽子

 私、樹から何も聞かされてない。

 年末年始だって、

 殆ど部屋にいなかったじゃん

 本当に大丈夫なの?



 川瀬樹

 色々と準備があったから。

 大丈夫。

 天野にとっても、

 納得出来るやり方でいくから。



 天野陽子

 少しぐらい、

 教えてくれてもいいんじゃない?

 


 川瀬樹

 ダメ、ゼッタイ。



 天野陽子

 怖い思いしてるのに、

 麻薬取り締まりの標語みたいに

 言わないでくれる?



 川瀬樹

 いや、ウケると思ったんだけど。



 天野陽子

 この状況でよく言えるわね。



 川瀬樹

 少しでも緊張を緩和しないと。

 相手の男に悟られても困るからね。



 天野陽子

 あのね、だったらもっと

 他の言い方があるでしょう?

 分かってる?



 川瀬樹

 あー、デリカシーがないって

 言いたい訳か。

 


 天野陽子

 そう。もう少し気を付けなさい。

 私だから良いけど、

 他の女性だったら、まず嫌われるよ。



 川瀬樹

 あいよー。



 天野陽子

 ホントに分かってるのかなー。



 川瀬樹

 何が?



 天野陽子

 とにかく!

 これから家に入る。

 あれ?

 玄関の鍵、開いている。



 川瀬樹

 了解。

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