第24話


「 僕にできることなら、聞いてあげるよ 」


西島さんの優しい笑顔が、私の瞳の中に映っている。


「 じゃあ…私の友達のちあき……江藤千秋さんを入部させてもらえませんか!お願いします!  」


しばらく考えた後、サラサラの髪をかきあげながら西島さんは言った。


「 君が、ケイ音楽部に入部届けを出してくれるのなら、許可を考えないわけでもない… 」


私次第ってことね


ちあきのことを考えると答えは……


ひとつだけ


「 わかりました… 」


「 OK!ありがとう…江藤さんの入部を認めます……えっと…君の名前は?  」


「 宇野 里佐子です ! 」


「 ありがとう…リサコ 」


いきなり下の名前で!?


すると突然、吉川さん達が騒ぎ出した


「 おいおい!ケイちゃん?そんな約束して大丈夫なの?  」


「 そうそう、西くん甘い、非常に甘い!…冷静になって考えてみなよ…彼女の了解は得たのかな?  」


「 おお!そうだよ!西島!? 凛子も賛成なの?  」


「 最初会った時、あいつが反対したんじゃないの?理さっちのこと… 」


りさっち?


「 いや…凛子に彼女のことは言ってない…何も考えていなかった … 」


「 心配しなくても、ケイちゃんが頑張って説得すればわかってくれると思うよ…リンちゃんのことだからね~…たぶん… 」


「 帰って考えるよ、今日はこれで解散にしようか……おつかれ… 」


『 おつかれ~! 』

『 じゃあな! 』


なんか最後の西島さん、なんとなく元気無かったな


あの人…凛子さん相手ではどうなるのかわからないわよね


今のことまだちあきには内緒にしておこうかな…




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る