第4話



☆☆☆ 3日後 ☆☆☆


数多くの説明を見てきたけれど、やっぱりこれといって二人で入れそうな部は見つからない。そうしているうちに、とうとう最後の部活説明になってしまった。


「 これが最後だね、宇野さんは何か入りたい部あった? 」


「 これといって特には… 」


「 … 」


すると、江藤さんの声が途中で止まってしまう。


「 江藤さん? 」


声をかけても反応がない、彼女はステージを見たまま固まっていたのだ。


「 ねぇ、江藤… 」


「 わたし…この部がいい… 」


突然、江藤さんはそう言うと、私の腕を掴んで揺さぶり始めた。


「 ねぇ!宇野さん!?一緒に入ろう!? ねッ!」


「 え!? 」


「 お願いします! 」


強引な江藤さんに圧倒され、軽く返事をしてしまった。


「 いいけど 」


「 ホント! 」


「 何部なの? 」


「 さあ… 」


江藤さんはステージを見たままぼうっと答えている。


「 はあ!?… 」


信じられない!


何部か分からないのに入りたいなんて、いったいどういうこと?

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