とわのことへの応援コメント
AAAで星3つ企画への参加ありがとうございます。
では早速
ストーリー[ A ]
登場人物[ A]
文章[ A]
評価基準の該当項目
ストーリーに関する事
A 下記項目のうち二つ以上に該当したものがあったとき。
引き込まれた。ワクワクした。面白かった。読み返したいと思った。予想をいい意味で裏切られた。起承転結がはっきりしており、物語にメリハリがあった。好き。このラスト好き。この展開は好き。上手な伏線の回収だった。
B下記項目の内一つに該当したとき
最後まで読めた。ストーリーの方向性がはっきりしていた。題材、キャラクター、設定が物語に生きていた。
キャラクターに関する事
A
魅力的なキャラクターだった。セリフのみで誰のセリフかが分かった。掛け合いが魅力的だった。キャラクターの行動に強い共感や憧れを持った。魅力的なセリフがあった。セリフ回しがカッコイイ。キャラクター同士の関係性がいい。
B
誰が何を言っているのかが分かった。キャラクターの心情を理解できた。
文章
A
文体が魅力的である。文章のリズムがイイ。過不足なく描写ができている。風景・情景・心理の三つの描写を的確に使い分けている。世界観に浸れる地の文である。
B
ストーリーと文体が一致している。誰が何をしたかが分かる。
【ストーリーに関すること】
人の時間と人魚の時間。二つの時間軸をまさかこんな形で交差させてくるとは思いませんでした。地震や津波の件はよく考えられているなと感じました。人の未来は人魚の過去のできごとになる。非常に複雑な時間の流れで書かれているため、プロット段階から何度も修正を加えられたと推察します。緻密な設計のおかげで読者は、時間の流れで混乱をきたすことなくスムーズに読めていました。高い構成力が伺えます。
【登場人物に関すること】
果といをの関係性がすごくいいです。読み終わってから改めて思い返すと、いをの愛の深さが分かります。同じ時間の流れを過ごせない言ってしまえば一緒に大人になることはない。この二人の関係性がぐっときました。乳母として【子供の夫】を育てるとかもう! いろいろと会えない時もあっただろう、言えないことが多すぎるとか一言でまとめると尊いです。
2話のセリフで「向いている方向は真反対かもしれないですよ」~「こうしていると、確かに正反対を向いているね」の流れがすごく好きです。2週目で気づきました。時間の向きに対して時間の対義語である空間的な向きで話をまとめたのかなと。魅力的なセリフ回しだと感じました。なにせ、1週目でも素敵なセリフだと思ったのですから。二週目で新たな発見があるのはすばらしい。
【文章に関して】
落ち着いた文章で安定しており、安心して読むことができました。言葉選びから家の雰囲気や時代背景などが伝わってきてどっぷりと物語の世界に浸ることができました。
一点、気づいたことを挙げますと、人魚の名前がひらながの為、地の文に溶け込んでしまっていて、一週目は少々読みにくくなっていました。具体的には「いを」の両脇にひらがなが配置されていたところです。
さらに面白い物語が生まれることを願って、つらつら書かせていただきました。私が上で書いたことは、作者様が書きたい物語にそぐわない可能性があります。その時は、バッサリいらない意見は切り捨ててください。意見の取捨選択の権利は作者様にしかありませんので。
この度は、味わい深い小説をありがとうございました。
作者からの返信
丁寧なコメント、ありがとうございます。
拙作がお眼鏡にかなったようで幸いです。
僭越ですが、七海様の「少女の手には呪いの本」を読んで、ちょっと似たところがあるなと感じました。
作品の中に伏線やちょっとしたトリック、ダブルミーニングを仕掛けるのは大好きですので。
やりすぎると意味不明な話になってしまいますが、面白く読んでいただけたということは配分がうまくいったのかなと思います。
いただいたコメント、さらにじっくり読んで今後の創作の参考にさせていただきます。
改めて、どうもありがとうございました!
とわのことへの応援コメント
小此木さま、感動しました。緻密な文章に懐かしさと切なさがしっとりと抱きとめられていて、遠い世界に引き込まれて行くような美しいぬくもりの息づく素晴らしい幻想譚でした。ファンタジーともSFとも謎解きとも呼べそうな魅力にグイグイと誘なわれるばかりです。わずか6000字でこれだけの世界が描けるのですね!お伝えすべき感想はそれに尽きますので、以下は単なる論理的、SF的な疑問とお考え下さい。
ラストに置かれた、この作品中でも最も感動的に凝縮された言葉「明日私はまたとわに会い、そのとわは、彼女の経験する明日、すなわち今日、再び私と抱きしめ合う。それは無限に繰り返し、そうであれば私たちの行いは永遠の一部だ。私ととわは真逆を向けて歩き続けるが、その進む道は繰り返しの円環なのだ。」は、なぜ無限に繰り替えされる円環になるのか、二人が一方は命の終りへ、他方は命の始まりへといつかは消え行くべき存在である限り、論理的には説明できません。
また、一点だけ、いをが累からどんな世界へと導かれて行ったのか、最初にもう一言、例示しておいて頂ければさらに流れるかと思いました。
作者からの返信
コメント、レビューありがとうございます!
そうまでお褒めいただくとなにやら面映ゆいばかりです。
ただ物語としてはある程度うまくオチをつけることができたかと自負しております。
累のところ、ご指摘通りちょっと説明が不足していました。この作品が参加していた企画が六千字程度の制限だったのもあり、実は削ってしまった部分もそこそこあります。
取捨選択の推敲は気をつけて参ります。
さてもう一つのご指摘、このお話は物語としてどうまとめるかを第一に考えて、SF的設定とか合理性が二の次になってましたので、そこを突っ込まれると汗顔というかお手上げです(笑)
1日というやたら人為的な単位で時間を逆行するのがそもそもおかしくて、人魚のエントロピーはどうなってるんだと自分に突っ込みたいところです。
ラストのセリフも合理的思考よりは多分に主人公の主情的な感想ではあります。
ですがよくよく考えると、多分その根っこには時間の捉え方があるのかもしれません。
時間というものが、我々が感覚的に捉えているとおり過去から未来へと不可逆に流れていくなら、人間と人魚は逆行する時間の一点で出会ってまた離れていくものになります。
しかし、私の勝手な考えですが、時間とは、生物の感覚器官に記憶機能があるから記憶のある方向を過去、ない方向を未来と認識しているだけなのではないかと思っています。
時間も基本的には三次元空間と同じように、過去方向にも未来方向にもあまねく存在している。それで我々は記憶機能によって、自分が認識している「今」が、失われた過去とまだない未来の間に唯一存在する一点と錯覚しているに過ぎないのかなと。
それをこの物語に置き換えると、主人公は時間を遡る人魚と出会うことで、存在するのが「今」だけなのではなく、時間が過去・未来方向に遍在することに気づき、それゆえに二人の共に過ごす時間も単に過ぎ去るものではなく、存在の一点として留め置かれることを理解したのではないかと、そんなふうに思っています。