第4話 よる

 住宅地の奥に、そのタテモノはある。

 毎日毎日泣き声を出し、不気味に揺れ続ける黒い影のような家。

 西野樹が取り込まれたタテモノだ。

 一周してみれば、鬱蒼とした茂みばかりが目についた。

 明日、ここに皆が来る。

 念入りに確認をする。大丈夫、全くおかしくない。

 明日さえ乗り切ればなんとかなるだろう。

 ほっとしてその場をあとにする。

 泣き声が嫌に耳についた。月のない夜だった。

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