【石のやっさん旧作】腐っても剣聖 ~勇者パーティを首になった剣聖はダラダラと自由気ままに暮らします~

石のやっさん

第1話 腐った剣聖追放される

「ソード、お前は今日限りでこのパーティー銀嶺の翼を抜けて貰う」



村から出て野営中に勇者であり、このパーティーのリーダーである、セトからそう言われた。


一瞬、頭の中が白くなったが、僕ちゃんは持ち前の気力で持ち直した。



「何で、僕ちゃんが首になるのかな? 可笑しいよ?」



「俺たち「銀嶺の翼」は只のパーティーじゃない、勇者パーティーなんだ!解っているよな? 勇者、聖女、賢者そして不本意ながらお前、剣聖からなるパーティーなんだぞ?」



「そんなの僕ちゃんは解っているさ..選ばれた者の集まりなんだ」



「そうだ、だがお前は何をした?」



「僕ちゃん、何かしたの?」



「お前、村を救った対価にお金を貰っただろう? そればかりかまだ幼い子に体を求めたそうだな!身に覚えはあるだろう?」



そうだね..確かに僕ちゃんは貰った。女の子も抱いた。


だけど、悪い事じゃないと思うんだけど。



「貰ったし、確かに若い子を抱いたけど、悪い事じゃないよ! だって僕ちゃんは選ばれた人間なんだから!」



「お前!駄目だ此奴はゴミだ!」



「ゴミは可笑しいよ! 僕ちゃんはしっかり戦ったじゃないか!」



僕ちゃんは剣聖だから何時だって一番最初に斬り込んでいたし、この間だってしっかりと守った。



「貴方みたいな女の敵に守られたくはありません! それに私だって自分の身位は守れます!」



聖女ルシオラちゃん..僕ちゃん君が危ない目にあわない様にいつも盾になっていたよ。


炎だって何回も代わりに浴びて怪我したこともあったよ..



「僕ちゃんは、ルシオラちゃんを」



「その、僕ちゃんて話し方気持ち悪いわ、しかも戦った対価に体を求めるなんて...最低です、見たくもありません」



「ユシーラちゃんも何とか言って」



「ソードキモい、女の敵は死ぬべき」



「ユシーラちゃんも僕は要らないの?」



賢者のユシーラちゃん..僕は何回も君の詠唱時間稼ぐために危ない目にあったのに..


「...要らない」




「そう、皆僕ちゃんの事は要らないんだね..いいよ出て行く」



「待て、お金と装備は全部置いていけ」



「せめて剣位は..」


「その魔剣グラッドもパーティーで手に入れたんだ、置いていくのが当たり前だろう?」


「そうよ、図々しい何で持って行けると思っているの?」


「置いていくのが当たり前」



こうして僕ちゃんは独りぼっちになった。




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