第4話 精樹の木の実、森精霊の加護 

そんなことをしていたら、スラが跳ねながら帰ってきた。

念話

「主、見つけたよ」


といって、体の中から、メロンくらいの大きさの真っ赤な果実を5個取り出した。なんと、か? 


念話 

「それって・・・ 「聖なる樹の実」よね・・・、よく見つけたわ」

「うん? アクアは知っているの? そこのスライム、僕の従魔でスラ。なにか食べれそうなものを探してもらっていたんだけど」

「そうなんだ・・・ なかなか見つからないものなんだけどね・・・もう、すごい果実で、体の欠損でも、呪いでも、なんでも直しちゃうのよ」

「へえ、そんなに? じゃあ、一つを、みんなで食べようか? あとは、収納しておくよ。スラ もっとなかったの? あれば、もう少し欲しいかな?」

「主、まだまだ、いっぱい、ブラさがっていたよ・・・」

「よし,じゃあ、食べたあとで、みんなで取りにいってみよう・・・」


スラの案内で森の奥に向かう。アクアは僕の肩に座っている。途中、空間がフワーとしたところ、何かの境界かな? を抜けると、目の前にとてつもなく大きな樹木が大きな赤い実をたくさんつけている。どうやら、この樹自体が結界を張っていたようで、スラもアクアも僕も、素直に入ってこれた。僕は、「浮遊」しながら、もう5個、収穫させてもらって、「収納」した。

浮遊する僕を見て、アクアの口は、開いたまま、アワアワ言っていたが、そんなときに、


念話 

「おやおや、久しいの・・・異世界からのお客さんだね」

「あ、どうも、コージって言います。今日、こちらに着いたばかりで・・・」

「そうかそうか、それで、いきなりここまで来れる、とは・・・儂は、森の精霊、聖なる樹の精霊である、まあ、それ、食べると良いぞ・・・」


気がつくと、スラと僕自身に、「」が付いていた。

マッピングにより、「水精霊の泉」と「聖なる樹」の場所が、自動記録された。

後でわかることだが、「聖なる樹」は、いわゆる隠された世界樹の一つだった。


アクアと念話 

「ねえ、コージー、なんで浮かぶの?」

「浮遊も、飛行も、できるぞ・・・僕の能力」

「もう? 精霊の支援なんて、全く必要無いんじゃ?」

「まあ、いろいろ出来るけど、できないことや面倒なこともあるし・・・ちゃんと、アクアの力も貸して欲しいな・・・」

「まあ、契約者だし、私だって、ちゃんとするわよ。美味しいものも、コージーの魔力も欲しいし・・・」


収納から、リュックを出して、スラにどうか?と思ったが、どうやら気に入ってくれて、特に用の無いときは、リュックの中にいるのが良いらしい。

あっ、リュックは僕が背負うんだよ? スラの居所。


※ スラの鑑定 特殊進化個体 スライム コージの従魔

   レベル 40  (もう、強いのでは?) 

   収納、消化、暴食、採集、念話、魔法・スキルコピー、能力隠蔽

   攻撃無効、不滅、気配察知、危機管理、

   水魔法、水刃、 火魔法、火槍、

   森精霊の加護 水精霊の加護


転移して、泉まで戻ってきた。

僕の収納内の、「異空間住居」で一夜を明かした、完全結界の異空間での住心地は最高だった。仲間が二人増えた。


いよいよ、人の住む場所へ移動をする。



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