新現代版「死神」

芝サカナ

第1話 出会い

「一体どうすればいいんだ…。」

男は悩んでいた。コロナで職を失い、少ない貯金と多額の借金で店を開いたが不況によりすぐに廃業となってしまった。このまま生きていても仕方がない。死んでしまおう。それがいい。

 しかし男に自殺経験は無かった。そのためどのように死んだらいいのかわからなかったのだ。


 不意に玄関のチャイムが鳴った。男は借金取りかもしれないと思ったが、借金取りならドアを乱暴に叩き、怒鳴り散らかすはずだった。それでは一体誰が?もしかしてNHK?不思議に思いながらドアを開けにゆっくりと玄関へ向かった。


 玄関のドアを開けるとそこには薄汚れたお爺さんが1人立っていた。男は不審に思いつつも、

「どなたですか?テレビ無いんで受信料払えませんよ。」

と、言った。するとお爺さんは言った。

「わしは、死神だ。」

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