ALBA

霧這

気持ち悪い程に綺麗な吐き気

二人のらかん様は

木槿むくげヒラのみだれシーツが広がる朝焼けで

君が「こんな感じでさ。

 たち交れないのかな。」

なんて呟いてカーディガンから

カフェインのまる栄養剤を両手で持つ

歩行者向け隧道ずいどうの前

真上で蜻蛉とんぼが足元では飛蝗ばったが交り

隣の雑草 からは鳴り虫がやかましい

その横で山法師の実が潰れている

一人のらかん様は

落ちてるラムネ瓶を転がす

木槿色のシミが浅紫の不穏な影を作り

真上で夕染めと一直線に交わっている

間抜けな点滅を街灯が僕に差して

空気の読めない爆音車は

いま流行りクルーブリゼの通り魔

スニーカーの紐を踏み結び目を戻すとき

伝わる混凝土コンクリが冷たい

瓔珞ようらくそう冷笑ひやわらい様に静かに揺れ

六時の町内放送が重たげに「お早う」を

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ALBA 霧這 @Sachi8hyA9sya7

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