第47話

「ん? 朝?」


 部屋を見渡しても誰もいない。俺1人だけだな……。


 宿屋に戻っていないという事はここで意識を失ったのか?



 あれ?


 俺、確か──


 アリアに凄い吸引力で吸われてた記憶があるんだが……夢?


 いやいや、この満足感は夢であるはずがない。かなり股間が落ち着いているからな……。



 これが夢なら俺は相当末期だ。



 思い出せ──


 昨日を思い出すのだ──



 ────


 ────────


 ────────────



 確か、アリアとこの部屋に入ったはず──



 そして──


 アリアは俺のズボンを下ろすと、自分の服も脱ぎ始めたんだ──




 アリアの白くてきめ細かい肌があらわになる──


「綺麗だな……」


 俺は思った事をそのまま口に出す。


「恥ずかしいじゃないですか……」


 アリアは局部を隠し、上目遣いで頬を赤く染めて恥ずかしがる。


 可愛い過ぎるだろ……。


 最近、我慢のし過ぎのせいで理性が飛びそうだ……耐えろ俺。


「いやいや、めっちゃ可愛いぞ? 魔契約なかったら普通に抱きたいぐらいだ」


「……私……エルク様に嫌われてないんですか? あの日、騙してからずっと嫌われてると思ってて……ぐすん……嬉しい、です……」


 もう過ぎた事だから特に気にしてないが、アリアはあの日の事を後悔していたのか……。


 それでも俺に真っ直ぐな気持ちを向けてくれる事が嬉しい。


「ほれ、こっち来い」


 アリアを引き寄せて抱きしめる。


「ふぇ?」


 涙ぐんだ目で俺を見詰めるアリアはとても可愛い。


 今も俺の為に行動している。


「──あの時の事は俺が好き過ぎてやってしまったんだろう? 終わった事はもういい。それに、もう俺を騙したりしないだろ?」


 まぁ、俺はこういうのに弱いからまた騙される可能性はあるが、アリアならいいかなと思っている。



「──はい……私、本当にエルク様が大好きなんです。ずっと一緒にいたいぐらい……だから連絡係にもなって……エルク様をずっと見てました……」


「これからは普通に接触してきたらいい。フランには俺が許可したと伝えれば問題ないだろ?」


「ありがとうございます! たまにはフラン様にも会ってあげて下さいよ? どんどん魅力的になられてますよ?」


「そう、だな」


 少し会うのが怖いのが本音だ……フラン……闇落ちしてなきゃいいけどな……。


「そうして下さい。さぁ──エルク様いきますよ?」


 パクって咥えたアリアの絶妙な加減の吸引力で上下に動かすテクに耐えきれず、俺は直ぐに逝った──


 あまりに凄すぎて途中から立っているのが難しくベットに座ってやってもらった。


 その途中──


「えるふさふぁ(エルク様)、ほうでふぅか(どうですか)?」


 と声をかけられた俺が更に興奮したのは言うまでもない。


 それからしばらく吸い続けてもらった気がする……ごっくんもいっぱいしてもらった!



 うん、やっぱ夢じゃねぇな。


 だが、何で俺は寝てたんだろ?


 あまりの気持ち良さに昇天したのか??




 いや、待てよ……あの後しばらくして──



「「ちょっと待ったッ!」」



 そうだ……マイとティナが部屋に入ってきたんだっけ?


 最後に見た光景は目の前に迫ったティナだな……速過ぎてブレていたが……。



 たぶん、ティナによって気絶させられたな。



 あれからどうなったんだろうか?



 部屋が荒れてない所を見るに戦闘にはなっていないはず。



 まぁ、さすがに孤児院で戦闘はしないか。



 さて──


 行動するにしても何からすっかな……正直、何からすればいいか全くわからん……。


 なるようになるか?



 ピコンッ


『絶倫王(極)、おはよう。やはり極めかけてるな』


 朝っぱらから喧嘩売ってんのかお前!?



 ◆



 私はエルク様の凄さに改めて感激しました。


 さすがは『先見』と呼ばれた冒険者です。察しの良さは相変わらずですが、エルク様は私が調べた内容も予め想定していた節がありました。


 そうでなければ、あそこまでスムーズに話を進めるのは無理です。


 私の惚れたお方はやはり凄かった。


 おそらくエルク様の中では何通りも想定をして、打つ手を考えておられるでしょう。


『病魔』のカインがいる以上は私1人ではどうにもならない事でしたから、救援を頼もうと思っていました。


 ですが、エルク様がいるならなんとかなりそうです。一緒に任務をするのは共同作業みたいで嬉しいですね。


 それとエルク様──


 あの時の事を許して頂きありがとうございます。


 お優しい貴方に私は忠誠を誓います。


 あぁ、涙が出そうです。でも嬉しい……。


 いけませんね……こんな浮ついた気持ちじゃ……。


 でも、今ぐらいは良いですよね?


 どうせ、明日からは余裕なんかなくなります。


 せめてエルク様に精一杯、ご奉仕させて頂きますね?



 私はエルク様の為に出来る最大限の事を行います──


 とても気持ち良さそうにされるエルク様を見て、私もあそこが疼きます。


 何度も何度も──出させて、飲み込んでも尽きる事がありません。


 私にいっぱい出してくれる事が嬉しい。



 しかし──



 エルク様が気持ち良さそうにしている所で──


「「ちょっと待ったッ!」」


 入って来たのはエルク様の奴隷であるマイさんと獣人の娘でティナちゃんでした。


 2人は一斉に私達に向かって走り出します。


 マイさんは間に入って私の手を掴み──


 その間にティナちゃんは私でも視認するのが難しい速度でエルク様に近付き、眠り薬を使って眠らせます。


 そして、エルク様を眠らせた事を確認した後、2人は私を見据えます──


 この2人──


 相当強い……さすがはエルク様の新しい仲間……。



 ラウンズに引けを取らない強さです。


「何のつもりでしょうか?」


 私は部屋にあったシーツを纏い、凛とした態度で2人を見据えます。


「エル兄は渡さない」


「エルク様に害をなす者は許しませんッ!」


 エルク様を守ろうとしているのがよくわかります。2人とも大好きなのでしょう。


 しかし──


 想いの大きさでは私も負けていません。



「貴方達はお情けも頂けていない癖にエルク様の奥さん気取りですか? 私は貴方達と違ってちゃんと抱いて頂いていますよ?」


「「うぐ……」」


 この反応からやはり、エルク様は2人に手を出していませんね。まぁ、魔契約があるのでそうだろうとは思っていましたが。


「それに──これはエルク様が望んだ事です。邪魔をするのはやめて頂けませんか? それにエルク様はと言われるぐらい私に夢中なのよ?」


 そう、今回は私から誘いましたが、許可したのはエルク様です。これはエルク様が望んだ事。


「──エル兄は私を家族って言ってくれたッ! いつか抱いてくれるッ!」


「そうですッ! 今は呪いのせいで抱く事が出来ないだけですッ!」


「貴方達ではエルク様を満足させられません」


「「そんな事ないッ!」」


「何を根拠に?」


「いつもペロペロしていっぱい白いの出してくれてるもんッ! 舌使いには自信あるッ!」


「私もこの豊満なおっぱいで挟みながら舐め舐めしてます! この柔らかさと張りをあわせ持つおっぱいは誰にも負けませんッ!」


「へ? 2人とも──いつしてるの?」


「「寝てる間にッ!」」


 返ってきた言葉に一瞬たじろく。


 この子達──なんて、なんて?!


 しかし、何故寝てる間に?


「……起きてる時にしてあげないのは何故?」


「それは──エルク様が私達をです」


「だからこそ、エル兄は私達にえっちぃ事をするように言わない。きっと罪悪感がある。だから寝てる間にしているッ!」


 この子達──


 なんて良い子なの!?


 合格だわッ! エルク様の事を考えて、罪悪感を持たせないように影から処理してあげるなんて……。


「ふふ、さすがだわ。なら勝負をしましょう」


「「勝負?」」


「これから3人ローテーションでエルク様をすっきりさせる為に搾り取るのです。エルク様が満足そうな顔をされたら勝ちです。やりますか?」


「「──やるッ!」」


 こうして私達は朝方まで各々の方法でエルク様のあそこを愛でました──



 ちなみに勝敗はつきませんでした。


 3人がかりで朝方まで出させたのにエルク様のあそこはおさまらなかったのです。


 昔よりパワーアップしている事実に驚きが隠せませんでした……。


 やはり、エルク様を満足させるにはハーレムを作ってあげるべきです。


 私はいつもお側にいれませんが、この2人なら魔契約が解除する日までなんとかしてくれるでしょう。



 それぐらいの愛情を2人から感じました。



 だって、あんなに白くベタベタになっても嬉しそうにしてたから──

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