第34話

「マジかー」


 俺は神様からもハーレムの未来を示唆されているという事実にショックを受けている。


 いや、待てよ……考え方を変えよう。


 これはきっと神様は俺が性交死しないように『身体強化(極)』をくれたんだ。


 うんうん、きっとそうだろう。


 俺の過去話を聞いてハーレムを作りたいとは思わないはずだ。きっと、最悪『慈愛の誓い』と対峙した時に生き残る術をくれたんだ。




 とりあえず──


『身体強化(極)』は戦闘にも使えると聞いたから試したいな。



「くっくっく、はっはっは、ふはははは──」


 俺はついに強くなれる日がやってきたんだ。


 なんせ『身体強化(極)』は上位スキルみたいだからな。効果は期待出来るはずだ。


 笑いが止まらねぇよッ!


 ピコンッ


『3段階の笑い方とかキモい。どこの王やねん。いや絶倫王だったな』


 気分が良いのに水差すなよな!?


 そのネタもういいからッ!


 俺の心をエグるからッ!


 まぁ、今は『鑑定』の言う事など俺は気にしない。



 今はこれを試す方が先だろう。


 とりあえず使用──っと!



 うおッ、力が溢れてくるな。


 これは身体強化魔術よりも強化率が高いのは間違いないな。だが、魔力の消費も多いな。



 ピコンッ


『簡単に説明してあげようじゃないか』


 あー、うん。それがお前の仕事だしな……頼むわ。なんかドヤ顔感が腹立つけどな。



 効果が表示される──



 なんかごちゃごちゃ書いててよくわからんが、簡単に説明すると──全身以外にも部位別に強化率が変えれるとの事だ。

 


術者の力量にもよるが、一般的な身体強化魔術では強化率は高くても30%までだ。だが、このスキルの場合は全身を50%の強化してくれる。そこから更に部位別に最大50%の強化が可能らしい。


 つまり、攻撃力が足りなければ腕を更に強化させてやれば合計100%の強化率になる。2倍の攻撃力だ。


 デメリットがあるとすれば魔力消費が多いというぐらいだろう。


 だが、俺には『魔力自動回復』スキルがある。問題なく使えるはずだ。これまでも『幻影魔法』を使いまくっても問題なかったからな。




 ちょうど『索敵』に反応が出たので狩る事にした。


 そこにはオーガがいた。


 防御が硬いから、相手としては申し分ないだろう。


 今までは倒すのにけっこう時間がかかったからな。



『身体強化(極)』を全身と腕に使って攻撃力を2倍にする。


 そして『幻影魔法』『隠密』『気配遮断』を使ってオーガの背後に回り──


 そしてオーガ目掛けて剣を一振りする──



 斬ッ



「へ?」


 オーガは簡単に真っ二つになった。


 マジかよ……なにこれ……。


 今の俺ってば確実にBランク以上あるんじゃね?!



 というか、やはり魔力消費が半端ないな……常に使うのは無理だ。ここぞという時に使うのがいいかもしれない。


 今度は足を強化する事にした。



 そして駆け出す──



 疾ッ



 うおぉぉぉぉぉぉぉぉッ! めっちゃ速いぜッ!



 これならリーシェさん達から逃げれるか?


 いや無理か……これ以上にあの人達速いからな……本気出されたら全く見えないし……。



 とりあえず、このスキルは嬉しいぜッ!


 これなら足手まといにならないだろうしなッ!



 ピコンッ


に使ってみろ』


 何でやねん……。



 ピコンッ


『それが自分の為になる』


 なるかッ!



 ピコンッ


『これは大事な事……いざが来た時にいきなり使えるのか?』


 むむ、確かに言われてみればそうだな……最悪の想定をして動くのが俺の基本だ。


 いきなり使えなかったら今度こそヤバい気がする。なんせリーシェさん達の攻めに分身1号が耐えれないぐらいだったからな……。


 よし──



 やるかッ!



 俺はを最大強化する──



「グッ──これは……」



 ……やべぇ……これはダメだ……あそこがはち切れそうだ。


 しかも胸がドクドクする……。


 血が全部股間に流れているのがわかる。


 不味い──解除だ。



 ピコンッ


『言い忘れた。股間がえらい事になるから分身にさせた方がいいよ』


 言うのがおっせぇーよッ!!!!


 解除したはずなのに俺の股間がまだカチカチなんだぞ!?


 どうしてくれんだよ!?


 息子が『後生だ……解放してくれッ!』と言っているかのように暴発しそうなんだが!?


 ピコンッ


『いえーい(ドヤ顔)』


 おまッ、ふざけんなよ!?


 マジですっげぇ腹立つわッ!



 ピコンッ


『ざまぁ』


 こんの野郎!?


 何で俺がざまぁされなきゃならねーんだよ!?



 ピコンッ


『まぁ、冗談は置いておいて。それで『慈愛の誓い』を屈服させたらになるよ?』


 いやいやいやいやいや、そんな事出来るわけないだろ!?


 あいつらの精力おかしいレベルだぞ!?


 ピコンッ


『それは満足させてないからだ。良いか? これで満足させて屈服させれば──デレるに違いないッ!』


 ──!? そ、そうかのか?!


 俺はこの力で屈服させる事が出来るのか?


 ついに散々犯された仕返しが出来るのか?


 ベットの上で俺がリーシェさん達を屈服させる──



 最高じゃないかッ!



 ピコンッ


『あぁ、出来る……はず……たぶん……きっと……』


 そこ言い切れよな!?


 一気に不安になったじゃねぇかッ!!!!


 それより、この股間どうしてくれんだよ!?



 ピコンッ


『あ、そうそう、もう祝福ログインボーナスが使えるよん♪』


 話逸らされたしッ!


 お前教える系のスキルだろ!? 解決策よこせよッ!



 ピコンッ


『抜け』


 んなもん誰でもわかるだろ!?



 ────


 ────────


 ────────────



「ったく……何回抜いても硬いままなんだが? 欲求不満が余計に酷くなったわッ!」


 俺は悪態を吐く。



 はぁ……しばらくこのままなら仮眠出来ねぇよ……。



 仕方ない……【祝福ログインボーナス】が使えるらしいから使うか──



 今回は選択肢のわかるルーレットか。


 だが、何もんだが?


 しばらくすると──1つ目の選択肢が記入されていく。


 なんか新しい演出だな──!?


 なにこれ……。


 俺は文字を再度確認する──



 ①ヤンデレ義妹

 ②ツンデレ義妹

 ③デレデレ義妹

 ④ボコデレ義妹

 ⑤クーデレ義妹

 ⑥義妹



 選択肢の全てにと記載されている──



 俺は義理の妹が貰えるのか?



 いや、このパターンは前にもあったな……マイの時だ。


 あの時は、奴隷商人が襲われていた。


 という事は──


 どこかで女の子が襲われているのか!?



 妹にするしないは置いておいて──



 か弱い女の子は助けるべきだ。



 俺は『身体強化(極)』を使う──



 どこだ──



 どこにいる──



 俺は『索敵』を使って集中する──



 その時──



「エル兄」



 ティナから声をかけられた。


 なんか凄く真剣な表情してるんだが……。



 …………まさか……義理の妹ってティナ?



 ピコンッ


『YES(笑)ボコデレに一票』


 いや、そんな一票いらねぇよッ!


 ティナにボコられたら下手したら俺死ぬじゃん!?

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