《詩》花と契約、春に怯える

頭上真っ青な空の顔と嘔吐しそうな反転世界

掻き消せぬ百年の灰色から輪郭だけの朧げ溶ける


興奮で引き裂いた目の口から

紅色のチューリップが咲いた日


私は夢から醒めた夢の途中


汚染された工場地帯から花の香り漂う

亡命した十七人の盲目信者の架空言語


否、私の日常


朝陽の下の暗闇に

無数のペットボトルが転がっている


冷徹な資本の心臓から

追放された感情はディストピアへ零れ落ちた


思考停止で開かれるカーテンは遠い記憶


不安と高揚の靄立ち込めて

一匹のモルフォチョウが飛んでいる


あゝ目覚めが悪い

水をくれ

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