《詩》幻惑街のソナタ

耳を澄ますと深い森の奥から

古典派の旋律が聴こえてくる


錆びたベンチに腰掛けて

星屑混じりのミントの葉を潰すと


少し風が吹いた


白昼夢、湖の畔に遠い想いを寄せ目を閉じる

白い顎髭を蓄えた老人が

そろそろ雪が降ることを告げる


穏やかに長い夜を感じる

必然と月はまだ一番高い位置で満ちていた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る