第2話 新入生カリキュラム・体力測定、魔力測定

次の日の朝、王育成機関・リアム・テオ学園のカリキュラムが実施された。

1時間目から6時間目まで体力測定や魔力測定、魔術や剣術など、あらゆる項目を実施し、最終的な適正ランクが付けれらる。

最低ランクEから始まり最高Sランクの6段階構成、これは魔物のランク付けと同じ仕組みだ。

平均ランクはCだと言われているが、ここリアム・テオ学園の平均はBの下ほどだと言われている。

もちろん、優等生である、麻那はランクはSだろう。

そして俺が狙うランクはC、目立たないかつ、ある程度使えるレベルのランク、俺はなんとしても今日だけは目立ってはならない。

まぁ、目立つことはないと思うが。

「伯、準備はできたか?」

「ああ、行こうか」

俺たちCクラスは運動用のスーツに着替えて、外の運動場に向かった。

それにしても、かなり動きやすい、スーツだ。

わずに魔力を感じるし、これなら、何かが起きてもすぐに動ける。

「よし、Cクラスは揃ったな、ではまずは体力測定を行う、この体力測定は魔術を一切禁止する、あくまで今の実力で挑むように」

こうして体力測定が始まった。

どうやら、カリキュラムはクラスによって多少の誤差があるらしい。

クラスに分けて行っているのも、何か意図があるのかもしれない。

こうして、体力測定は順調に進んでいった。

「ふぅ〜なかなかきついな」

「だよな〜〜」

久しぶりに汗をかいた気がする。

周りを見る感じ、みんな大体、同じ表情をしている。

「おい、体力測定の結果で出るぞ!!」

「早いな、どれどれ」

多少加減もしたから、大体C〜Bぐらいだと、思うけど。

結果を見ると、予想より少し高かったがBランクだった。

蓮也もBランク、Cクラスにしては高い方だった。

「お!俺たちBランクだってよ」

「そうらしいな」

「なんだよ、嬉しくないのか?」

「本番はこれからだろう?」

「あ、確かに」

見た感じ、平均はCランクだった、ただ・・・

「Aランク・・・ね」

Cクラスに一人だけ、体力測定Aランクがいた。

もしかして、魔力がかなり低いとかかな?、昨日見た感じは、特に目立って低い生徒はいなかった。

気になる、すごく気になる。

「よし、体力測定はこれで終わりだ、10分休憩をした後、魔力測定を行う、各自、体を休めて、体育館に集合する様に」

『は〜い』

俺と蓮也は、近くの自販機で飲み物を買って、束の間の休憩に身を沈めた。

「疲れた〜〜」

「そうだな」

「お疲れ様です」

「ああ、おつか・・・誰?」

俺と蓮也、そして何故かもう一人、謎の女の子がそこにはいた。

「いやだな〜〜同じクラスじゃないですか」

「おい、伯!女の子が俺たちに声をかけて・・」

「落ち着け、蓮也・・・でなんの様ですか?」

「敬語なんてやめてくださいよ・・・ただ気になっただけですよ、見ましたよ、体力測定の成績・・・Bランクでしたよね?Cクラスにしてはなかなかすごいなって、ね?」

「まぁ、それに関しては俺でも驚いているからな、で君誰?」

すると謎の女の子はポカぁ〜とした顔でこちらを見つめる。

「本当に知らないんですか?同じクラスなのに・・・」

「俺は人の名前を覚えるのが苦手でね、特に関わったことのない人でもね」

「ひっど〜い、そんな言い方、女の子にモテませんよ?」

「モテるつもりもないが」

そんな二人の会話を聞く蓮也は思った。

あれ?なんか二人の世界に入ってはいませんかと。

「一様、教えておきます、ちゃんと覚えてくださいよ」

「善処はする」

「私の名前は、神白奈々(かみしろ なな)、あっ!もうこんな時間だ、早く行かないと魔力測定に間に合いませんよ?、じゃあ私はお先に」

そう言って無防備な背中向けて、走り出した。

「神白奈々か」

「おい、伯、お前だけずるいぞ」

悔し涙なのか、俺を睨む、蓮也だった。

神白奈々、体力測定でAランクだった子だ。

ふと、時計を見ると残り1分しかないことに気づいた。

「おい、蓮也!!早くいくぞ!!」

「どうして、伯だけ・・・」

俺は蓮也を連れて、猛ダッシュで体育館に向かった。

「次は魔力測定だ、と言っても緊張する必要はないぞ・・・では魔力測定の方法について教える、この目の前にある水晶にす秒だけ、手を置くだけでいい、あとは自動で魔力を測定してくる、じゃあ、前から順番に測定していくぞ」

こうして魔力測定が始まった。

順調に進んでいく中、蓮也の番が回ってくる。

「よし!いくぜ!!」

水晶に手をいて数秒で終わった。

本当にこれだけで魔力の測定ができているのだろうか?

こうして俺の番が回ってくる。

魔力をできる限り抑えることだけに、集中した。

俺の番が終わり、蓮也のもとへ向かった。

「伯、楽しみだな!!」

「そうだな」

魔力はだいぶ抑えたから、大丈夫だと思うけど、流石に少しだけ緊張するな。

ふと水晶の方を向く、次は神白奈々の番のようだ。

眺めていると、こちらに気づいたのか、こちらに手を振る。

俺は振り返さなかったが、蓮也は大きく手を振って返した。

こうして魔力測定が終わった。

「よし、これで全員終わったな、お昼休憩が終わったあとは魔術と剣術の実技だが、魔術に関してはお前達はまだ新入生だ、今できる魔術を見せてくれるだけでいい、剣術は二人一組になり、戦ってもらう内容は以上だ」

魔力測定が終わり、食堂に向かうと、たくさんの人で席が埋まっていた。

「これは、すごいな」

「ああ、食堂で食べるのは難しそうだ、外に行こう」

「だな」

外にあるベンチでご飯を食べることにした。

「外で食べるご飯は格別ですね?」

「どうしてお前がここにいる」

「ひどいな〜〜クラスメイトじゃないですか」

気づけば、神白奈々が一緒に昼食を一緒に摂っていた。

俺は心の中でため息をつく。

それにしても次は魔術か、俺、魔術だけは何も知らないんだよな、魔法は使えるんだけど、まぁ、みんなが使ってるのを真似して、失敗するれば、大丈夫だと思いたい。

「どうしたんですか?伯くん?、箸がとまっていますよ?」

それにしても、本当にコイツはなんなんだ?

気配もなく、突然現れるは、絡んでくるし、それにコイツと関わると、蓮也になぜか、睨まれるし。

「どうしてコイツだけ・・・どうしてコイツだけ」

蓮也は何かブツブツと呟いているけど、それはほっといて、神白奈々、それなり、注意しておかないとな。

昼食の時間はあっという間に過ぎていき、午後の時間、魔術の実技が始まった。



???の玉座

新たな災い、新たな時代、次なる時代を導く、若者達、私は期待する、新しい風を、新しい時代を築く者が現れることを。

「アルフィー様・・・また何かお見えになったのですか?」

銀髪ショートヘア、メイドの服を着こなす、一人の少女が、訪ねた。

「未来が変わる、新たな時代の風が吹く・・・私は、ただ傍観する」

アルフィー・テオドールに感情はない。

あってはならい存在なのだ。

そんな彼が初めて、頼み事をした。

「君に頼がある・・・」

「なんなりと、ご命令ください、《現王》アルフィー・テオドール様」

彼女はスカートをたくし上げ、頭を下げる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る