第4話 愛情いっぱい、腹一杯

竹林に仕掛けられていた罠でしくしくと泣いていた小さな子供。


その小さな子供は光り輝く美しい姫、かぐや姫と名付けられました。


爺「それじゃあ今日も頑張るか!行ってくる!」


かぐや姫がお爺さん達と一緒に暮らす内に、不思議な事が沢山起こりました。


いつも行く竹林で竹を取ろうとすると、割った竹の中から小判が出てきたり、庭の畑で育った作物は生育が早く、沢山実りました。


そして一番の不思議な事と言えば、かぐや姫の成長でした。


かぐや姫「美味ちぃ!もっと!…たっくしゃん食べたぁいなぁ?」


小さな子供の体でお爺さん達の倍以上のご飯を平らげ、あどけない仕草とあざとい言い方で果物や甘いお菓子をねだります。


そのせいなのかはわからないが、3ヶ月程でかぐや姫は適齢期である成人女性となり、髪上げの日取りも占ってその日に行い、を着せる事になりました。


婆「子供の成長って…こんなに早かったかしらね…?」


爺「いやぁ…よくわからんが、沢山食べてよく寝るからじゃないかの?」


婆「そうねぇ…可愛いからついつい食べさせちゃったけど…大丈夫かしら…?」


ふと、お爺さんとお婆さんはかぐや姫をまじまじと見ました。


どこを触ってもぷにぷにで柔らかな白い肌、つぶらでキラキラと輝く瞳、プルっと艶やかな可愛いらしい唇、髪は黒く長く、絹のような滑らかさ、むっちりとしたふわふわマシュマロボディ…。


爺・婆「んぁぁぁあっ可愛いぃぃ!」


お爺さんとお婆さんはかぐや姫にでれっでれの溺愛でした。


かぐや姫「あたし…ちょっとお腹空いちゃった…昨日食べたお菓子…もう無くなっちゃった…?」


爺「そうじゃ!今から買いに行こうと思ってたんじゃ!昼前には帰ってくるからな!お昼ご飯の後で一緒に食べよう!なっ!」


婆「簡単で早く作れるお菓子を作る練習をしておったんじゃあ!すーぐ!すーぐ出来るからね!ちょっとだけ待っててね!」


かぐや姫が少し悲しそうな表情で甘えた声を出すと、お爺さんとお婆さんはキュンキュンして、お菓子を買いに行ったり作ろうとしました。


かぐや姫「あっでも…お爺さんが居なくなっちゃうの寂しいなぁ…。お婆さんも昨日腰痛めたでしょ?揉んであげるっ!横になってみて?」


爺・婆「かぐや姫…!!!」


全力でかぐや姫を甘やかす日々でしたが、竹を取りに行く度に出てくる大判小判のおかげで、いつしかお金持ちの有力者となっていました。



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