第27話東大の秘密
東大生たちが教えてくれたのだが。
「goki、東大のドメインをよく見ろ。「ⅲ」。これ。数字の3じゃねーぞ。よく見ると、世界中のどこの国の言語でもない文字だろ。ヒエログリフ(神官文字)でもない。本当に知る人ぞ知る人類の古代文字なんだ。コピペも簡単にはできない」
「goki。樋口一葉が生きていてアカウントを変えて二度目の人生を生きたというのは東大では有名な話だ」
「マルチアカウント?結局誰だったの?」
「ほら、いるだろ。有名な女医が」
「わからん」
「あー!与謝野晶子!」
「そう。まさか、ジョン・レノンや坂本竜馬も生きてたとはなー。東大もビックリだよ」
「マルチアカウントの研究。世界は数人の天才が作っている」
「それな!」
2016年当時。東大本郷キャンパスはお城で根津や湯島が城下町のように見えた。のちに東大生たちが、
「ちょっと違う。東京を地図帳で見れば分かるけど、本郷や駒場、小石川植物園や後楽園、六義園、明治神宮、東宮御所、皇居、その他緑地はすべてもともと皇室財産だったんだ。お城のように見えるのは当たり前。もともと本物のお城、江戸城の一部だ」
「東大が日本全国に持っている土地は、東京23区と同じくらいの面積がある」
「東大総長というのは日本一給料の高い公務員。内閣総理大臣より高い」
「伊東乾を東大総長に?そうなればいいけどな」
北野武さんがテレパシーで現れたときの話。
「オイラは一体何者なんだい。goki君よう?」
「お母さんは確か、徳川幕府の旗本の末裔ですよね。戊辰戦争で敗走して行くときに、まだ赤ん坊だったお爺さんを捨てて行った」
「それ!」
「これ、武さんの先祖をずっと遡って行くと、徳川家康の娘と豊臣秀吉の息子の間にできた子供に行き着きます。たぶん」
「やっぱりそうか!オイラも普通の家系じゃないと思っていたんだよ!ようやく自分の出自が分かった!」
福山雅治さんまでテレパシーで出てきた。
「色んな人間を見てきたが、俺以上の男はいなかった」
「俺の正体は何者なんだい?goki君」
またこのパターンか、と思いつつ。
「福山雅治さんの祖先をずっと遡って行くと、長崎の天草四郎に行き当たります」
「天草四郎は実は織田信長のマルチアカウントです。つまり、福山雅治さんは織田信長の直孫ですね」
「ちなみに、本能寺の変で暗殺されたはずの織田信長は、「マルチアカウントの法則」を使って、長崎で「天草四郎」、東南アジアで「山田長政」となって世界征服を達成します」
「「世界征服」と「世界平和」って同義なんですけど。人類史を見ると、約300年周期で達成されています」
「「ブッダ」、「アレクサンドロス」、「カエサル」、「イエス・キリスト」、「ムハンマド」、「チンギス・ハーン」、「織田信長」、「エリザベス一世」、「マルクス」、「フランクリン・ルーズベルト」、「バラック・オバマ」です。みな、世界征服か世界平和のどちらかを達成しています」
「今後、俺はどうしたら良い?」
「まずは、「坂本竜馬第二の人生」を主演して、カンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭、アカデミー賞主演男優賞を受賞しましょう。その後は、東京大学大学院政治学科に入学して政治学を修め、博士号を取りましょう。卒業後に日本国の内閣総理大臣になってください」
「もう東大とか無理ですから。ほっといてくれませんか」
「悪かった。おまえはおまえの人生を生きろ」と伊東乾先生。
ただ、柚里絵だけが怒っていた。
「意気地無し!何も知らないくせに!東大に来れば信じられない出会いと情報があるんですよ!実際、gokiさんだって伊東先生たちと出会って、テレパシーの存在を知って、碩学のファインマンになったんじゃないですか。gokiさんは東大に来るべきです!」
「以前から思っていましたけど、伊東先生って東大向きじゃないですよね。私立文理系と言いますか。早稲田の法学部と慶応の医学部を足したような文章を書く」
「伊東先生が浪人したり、東大首席になれなかったのもその辺に理由が」
「知ったふうな口をきくな、豪志」
「東大向きな人間って、米山さんとか美夏ちゃんとか成田祐輔みたいなタイプ。どこかで見たような聞いたような文章を完コピしてくる秀才。なんの創造性も持たない秀才たち」
「そうかな?」
「伊東乾先生や茂木健一郎先生は絶対東大の範疇に収まる人間じゃないですよ。秀才タイプじゃなくて、創造性溢れる天才タイプ。左巻健男先生、堀江貴文さん、西村博之さんなど。彼らは秀才タイプではなく創造性溢れる天才タイプだと思います」
柚里絵が泣き出してしまった。
「わたしも秀才タイプですか?」
「柚里絵は完璧にそうだな。どこかで見たような聞いたような文章完コピ娘(笑)」
東大情報学環の学生たち。
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